ゲームでデータを改造し無敵にしたり破格の物資を所持したりすることをチートといい、反則行為であり、対人戦のゲームだと大ひんしゅくを買います。また少年誌のバトル系作品やラノベの俺TUEEEEE系の主人公もチート級に強く、「こんなのいるかよ……」と思ってしまいます。
とはいえ現実にも嘘だろ……というくらいバケモノ級の能力を持っていたり、不死身のような人物、チートな人は結構多くいます。今回はそんな漫画やゲームに出てくるようなリアルチートな人物を紹介します。
白い死神 シモ・ヘイヘ
1939年から1940年に起こったフィンランドとソ連の『冬戦争』で活躍したフィンランドの軍人。彼は雪などで身を隠すために真っ白なギリースーツを着込んでいたためソ連軍から『白い死神』と恐れられた凄腕のスナイパー。現代ならまさにチートと疑われるヘイヘの能力と戦果は……、
本来、狙撃銃には命中精度を高めるためスコープを付けますが、彼は反射で敵に見つかるという理由で使用せず、銃身についた照準具のみでオープンサイトで狙撃。その精度は150mの距離を1分間で16発命中、300mまでならヘッドショットも確実だったそう。
その戦果は500人くらいと自己申告していたそうですが実際は542人で史上最多といわれています。終戦後、そういった功績をひけらかすことはなく96歳でこの世を去りました。
不死身の分隊長 船坂弘
漫画ゴールデンカムイの主人公・杉元のような不死身の軍人が日本に実在しました。
第二次大戦のパオラ・マリアナ戦役最後の戦い、アンガウル島の戦いでこの島を守備していた船坂。日本側1400人に対し米側は2万人を超える圧倒的な戦力差の中、船坂は擲弾筒(グレネードランチャー)などで応戦。200人を撃退したと言われていますが、後に左足を負傷。
軍医に見放されますが、翌日には足を引きずりながらも歩ける程度に回復。それから拳銃や鹵獲した短機関銃、銃剣で敵をなぎ倒す肉弾戦で活躍しますが、そこは多勢に無勢。仲間も減っていき最後は一矢報いようと、体に弾薬を巻き付け米軍テントに特攻を試みます。
しかし銃撃を受け昏倒、玉砕は失敗に終わりますが一命をとりとめ驚異の回復を見せ捕虜収容所へ。今度はそこを脱走すると、銃や火薬を盗みつつ、弾薬庫や飛行場を爆破しました。再度捕縛され終戦、帰国。その回復力や死地でも命を落とさず奮戦したことから『不死身の分隊長』と呼ばれました。
ちなみに帰国後は渋谷のスクランブル交差点から見える大盛堂書店の創設者になりました。
ごりっぱ破戒僧 ラスプーチン
1869年、シベリアで生まれた祈祷師ラスプーチン。聖書を独自に解釈したり、祈祷などで病人を治すことで信者を増やし名声を得たラスプーチン。その名は皇帝の耳にも届き、皇太子の病気の治療を施したことで絶大な信頼を獲得。その後、宮廷に出入りするようになると多くの貴婦人と交流。
一説には下半身のもちものが立派だったそうで、貴婦人はとりこになっていったそう。皇帝の篤い信頼や下半身事情で反感を買ってしまったラスプーチンは皇帝の親戚ユスポフによって暗殺されます。
まず、ユスポフはラスプーチンを招待し青酸カリ入りの食事を与えます。が、平らげてもけろっとしていたので、背後から拳銃で2発銃撃。それでも生きていたので、仲間が銃撃。それでもそれでも立ち上がってきたのでボッコボコにし、止めに額に銃撃しました。
その後、遺体をす巻きにし川に放り投げたそう。結局、最後の銃撃が死因とされていますが、一説にはそれでも生きていて、川に放り込まれたことによる溺死というチート級の耐久力があったという話も。ちなみに上述の立派なもちものですが、33センチあったそうでまさにチート。
事実は小説より奇なり、などと言いますが、本当に人智を超えた能力を持った人は多くいます。当時から英雄と称えられる者いれば異能が故、現代まで悪評が付きまとう者も。チートはいつの時代も反則視され、ある意味やっかまれてしまうんですね。