パスタは日本人にとても親しまれている食材。毎月一度は食卓に登場するご家庭が多いのではないでしょうか。けれどそのパスタがいつ日本にやってきたのかを知る人は少ないかもしれません。歴史は意外に浅く。明治時代らしいのです。
昭和には「スパゲティ」だった
昭和の頃、食卓に出てくるパスタはスパゲティミートソースと言われるものがほとんどでした。スパゲティとはパスタの一種で、ひものように細長い麺のことをいいます。やがてイタリア料理が人気になると、さまざまな形状のパスタがお目見えするようになり、言いかたもスパゲティではなく、それらをまとめて「パスタ」と言われるようになりました。
ソースについてもミートソースだけでなく、トマトソースやミートソース、カルボナーラ、ペペロンチーノ、アラビアータなど、バリエーション豊かな味が揃うようになりました。書店には365種類のパスタ料理が日替わりで出てくるレシピ本もあるくらいです。
始まりは明治
これほどに浸透したパスタですが、なんと、日本に初めて上陸したのは、スパゲティではなくマカロニだったと言います。『料理王国』2020年8・9月号の特集は「日本のパスタ100年史」で、そこでは日本におけるパスタの始まりについても書かれています。
そこには、日本にパスタがやってきたのは鎖国が解かれて以降で、おそらく明治時代だったのではないかとのこと。明治初期の資料に「マカロニ」という記述が見つけられるのだとか。当時、イタリアの一部の地域ではパスタのことをマカロニと総称していたのだそうです。
「イタリアうどん」と呼ばれて
当時、マカロニ(パスタ)は「西洋そうめん」や「イタリアうどん」などと言われることもあったそうです。特に「イタリアうどん」は、現代でも通用するくらいおいしそうな名称で、センスを感じます。日本人は以前からそうめんやうどんなど、麺類に親しんでいたので、パスタは抵抗なく受け入れられたのではないでしょうか。
パスタは明治時代からチーズや牛肉と煮たりと、本格的なものが作られていました。日本で親しまれているナポリタンや和風パスタは、第二次世界大戦後にもたらされたらしく、まだ歴史は浅いのです。さまざまな応用ができるパスタは、今後まだまだバリエーションを広げていきそうです。