本屋さんで本を物色していて、本のカバーデザインが素敵で、思わず手に取ってしまった…。そんな経験、ございませんでしょうか? いわゆる「ジャケ買い」という奴でございます。
本の装幀(装丁)は、デザインやイラストはもちろん、質感、手触りなど、電子書籍では味わえない紙の本の魅力でございます。
そんな本の装幀を評価する賞(コンクール)が、出版業界に一つだけしかございます。その名も『造本装幀コンクール』。
入賞作品は、ドイツ・ライプチヒで開催される世界でもっとも美しい本コンクールに日本代表として出品され、その後、フランクフルト・ブックフェアで展示されるのでございます。
そのコンクールの今年の受賞作、第51回造本装幀コンクールの入賞作品が、先日発表になりました。いくつか部門があるのですが、今年は絵本がたくさん受賞しておりました。
児童書・絵本部門では、『これはすいへいせん』(金の星社)、印刷・製本特別賞では、『絵巻じたて ひろがるえほん かわ』、『くままでのおさらい 特装版』ナイス)、出版文化産業振興財団賞では、『宮沢賢治 十二色の絵本』(ギャラリーまぁる)が受賞しております。(詳細を知りたい方はHP等でご確認くださいませ)
入賞作はすべて、表紙だけでなく、中の絵のクオリティーや内容もすべて、大人が楽しめる“大人絵本”に仕上がっております。そんななか、今回ご紹介したいのは、こちら。
『くままでのおさらい 特装版』(絵と文:井上奈奈)
井上様は16歳のとき単身アメリカへ留学し美術を学び、武蔵野美術大学卒業。国内外のギャラリーやアートフェア等で発表を続け、2014年から絵本作品を発表。代表作に『さいごのぞう』(日本図書館協会選定)や『ウラオモテヤマネコ』がございます。さらに、井上様は絵本の他に、雑誌や書籍の装画なども手掛けておられます。なので、井上様は受賞すべくして受賞した絵本作家様といってよいかもしれません。
ちなみに、『くままでのおさらい』は、特装版とハンディ版と2種類出版されておりまして、こちらの特装版は、職人さんにより一冊一冊仕上げられる手製本でございます。シリアルナンバー入りで同じ本はふたつとして存在いたしません。
まさに、工芸品でございます。お値段も4,000円+消費税でございます!自分へのご褒美プレゼント、アート系女子にプレゼントするには、もってこい。もちろん、アート女子をアピールするインスタにももってこいでございます。(文:N田N昌)