各局で注目の冬ドラマ。ドラマ通にはワクワクの期間でございます。
仕事に恋に頑張る女性主人公の姿を見て、それを糧に翌日も仕事を頑張ろうというドラマ女子も少なくないのではと存じます。
そんなドラマ女子が注目のドラマといえば、「ムチャブリ! わたしが社長になるなんて」(NTV)でございます。出世欲がない主人公(高畑充希)がある日、いきなり社長に抜擢されてしまったというお話。様々な壁を乗り越えながら仕事に突き進むという内容になっております。そしてもうひとつ、「ファイトソング」(TBS)。こちらは、夢破れたスポ根ヒロイン、一発屋ミュージシャン、万年片想いの一途な幼馴染、この3人の切ない恋と成長の物語でございます。
毎日、過酷な業務でヘトヘト、人間関係でヘロヘロの皆さまを癒してくれること間違いナッシングでございます。
ただ、癒し効果のあるドラマは毎日、放送されているわけではございません。癒し処方時間も1時間弱かかります。そこでご提案したいのが絵本でございます。
「絵本なんて子供のモノでしょ!」とは思わないで欲しいのでございます。今、大人が楽しめる、大人をターゲットにした絵本が急増しております。大人絵本ブームとも言われております。騙されたと思って、是非一度ご体験頂きたいのでございます。
「でも、何を読めばいいの?」「絵本ってたくさんあるけど、“大人向き”って表記されているの?」と思われている方、その通りでございます。
そこで、この冬出版された大人絵本(大人も楽しめる絵本)のなかから、厳選ご紹介したいと思います。辛い時、心が疲れた時に読むと癒される大人絵本でございます。ドラマと違って5分で読めます。5分で癒されます。
まずは、こちら。
「メンドリと赤いてぶくろ」(作:安東みきえ 絵:村尾亘 出版社:KADOKAWA)
赤い手袋が左右離れ離れになり、その片方がメンドリトと出会うことでいろんなことに気付くという物語でございます。その“いろんなこと”が、ネタばれになるのでここではお話できませんが、大人のドラマのテーマでも扱われるようなテーマなのでございます。そう、大人にも刺さる、むしろ大人の方が刺さるお話になっております。
ちなみに、出版社の内容紹介には、こう書かれております。
「自分のままじゃいけないの?と悩むメンドリと、立派ってなんだろう?と考えるようになる赤いてぶくろ。冬の日の偶然の出会いが、ふたりの未来を大きく変えます」。
…これだけ読むと(メンドリと赤い手袋が人物の名前に差し替えると)、まるでテレビドラマのあらすじでございます。
もう一冊、こちらも赤い手袋のお話でございます。
「あかいてぶくろ」(文:林木林 絵:岡田千晶 出版社:小峰書店)
こちらも手袋が離れ離れになる物語でございます。こちらも大人のドラマで使われようなテーマが題材になっております。離れ離れになったふたり(左右の手袋)が、それそれ違う人生を歩み始めます。そしてある日、再開を果たします。お互い自分の人生を歩み初めていたふたりは昔のような2人の関係に戻れるのか?戻るのか……。ドラマを1本見たくらいの満足感が得られるのではないかと存じます。
2作品とも、大人が「絵本って、こんなに面白いんだ」と思うこと間違いナッシングな大人絵本でございます。是非、この機会にご体験頂ければと存じます。
(文:絵本トレンドライター N田N昌)