近年では、自分らしい働き方や生き方を見つめ直す動きが活発化していますね。仕事と生活を調和する「ワーク・ライフ・バランス」という言葉をよく耳にすると思います。
さて、そんな中で東京国際フォーラムでは2月6日、「”ライフ・ワーク”・バランス」EXPO東京2020が開催されました。あえてライフを先にした同イベントは文字通り、従業員が人生を楽しめるような取り組みを各企業が発表するものです。
主催の東京都は昨年、ライフ・ワーク・バランス実現に向けて優れた取り組みを実践している中小企業を「東京ライフ・ワーク・バランス認定企業」に認定。27社の応募があり、文京区の印刷会社「株式会社木元省美堂」、千代田区のシステムコンサルティング企業「株式会社グリフィン」、立川市で障がい者雇用支援などを行う「ジョブサポートパワー株式会社」、台東区の広告代理店「株式会社DACホールディングス」、メディアサービスを展開する千代田区の「株式会社パセリ」、港区でアプリケーション開発などを行っている「株式会社ブレイクスルー・ネットワーク」、港区の特定非営利活動法人「放課後NPOアフタースクール」が選ばれました。
当日はこの7社に対する認定状授与式とともに、大賞と知事特別賞の発表も行われました。
委員会の立ち上げや北欧研修も
大賞に選ばれたのは株式会社グリフィン。ノー残業デーの導入や有給休暇の取得促進を実施。自社の取り組みを取引先にも説明するなど、徹底したライフ・ワーク・バランス化を目指しました。
上妻英一代表取締役は「中堅社員をリーダーとし、2、3年目の若手社員も含めて10人ほどで構成された委員会を立ち上げた。月に1回、定例会を開催。組織でPDCAサイクルを構築したことが評価されたのでは」と話しました。
知事特別賞を受賞したのは株式会社DACホールディングスです。こちらは女性が働きやすい職場環境に変革させるため取り組みをスタート。フィンランドやスウエーデンなどの企業に訪問する北欧研修などが実を結び、女性社員の定着率が向上しました。男性優位のイメージがある広告業界の中で、同社は半数以上が女性。役職に就いている女性も多くいます。
認定企業以外の団体も出展ブースで活動をPR。「NPO法人ファザーリング・ジャパン」は“父親の生き方”に着目し、男性育児休暇の推進や管理職を養成するイクボスプロジェクトを実施。年間300回以上のセミナーを開催しています。
東京都の都市整備局は「スムーズビズ」を訴求。テレワークの促進や出勤時間をフレキシブルにすることで、出勤ピーク時間の交通混雑緩和を目指します。「テレワークは導入費を助成している。企業活動を維持しながら都心における交通混雑の課題を解決できれば」と担当者は語りました。
様々な企業や団体が、新時代の生き方や働き方をより良くしていこうとしている努力を見ることができたライフ・ワーク・バランスEXPO東京2020。今一度、自分たちの職場環境を見つめ直すきっかけになったのではないでしょうか。