小学生の課外授業における工場見学といえば「何をつくっているのか分からない」、「興味が湧かない」といった声も少なくないのでは。「どうせなら、テーマパークみたいな所に行きたい」というような願いが叶う工場見学がオープンします。
世界有数の自動車部品メーカー株式会社デンソーは、このほど愛知県安城市のデンソー高棚製作所で「TAKATANAファクトリーツアー」をオープン。7月4日からインターネットで一般予約を受け付け、23日(月)よりスタートします。
高棚製作所は1974年に操業を開始。車のメーターや情報通信関係、走行安全製品を生産する、デンソーの中核を担う工場です。広さはなんとナゴヤドーム約7個分。工場だけでなく体育館、野球場、陸上グラウンド、ビオトーブもあります。TAKATANAファクトリーツアーはこの広大な敷地をバスで巡り、最新のモノづくりを学ぶ約90分の工場見学です。
まずはエントランスロビーです。デンソー製品を象徴する、巨大メーターオブジェがお出迎え。絶好のフォトスポットです。ここでは工場の全景ジオラマや、映像による高棚製作所の紹介があります。
続いてオリエンテーションシアター。大型の3面スクリーンには、安心安全な未来の車社会のイメージムービーが流れます。案内役はAIロボット、メータ君。高棚製作所の従業員をイメージしたクラフトさんも登場し、テーマパークのような世界観を演出します。
バスに乗ってメーター工場へ移動します。工場内の従業員や守衛さんは、手を振ってお見送り。約5分で工場に到着です。
“生き物”のような工場
メーター工場では、広大なメーター組み立てラインを見渡せる見学通路を歩き、メーターの歴史や組み立て工程を学ぶことができます。工場で働く従業員の姿を一望。また、従業員が作業する手元を映し出すライブビジョンも設置されており、リアルな風景を見ることが可能です。見学通路の床や壁にはキャラクターが描かれており、だまし絵スポットも。工場内にいるクラフトさんを探すのも楽しみの一つです。
見学通路の終点にあるプレゼンテーションルームでは、メーターができるまでを映像で紹介。さらに、運転中の脇見運転や居眠りを検知する装置などを体感するコーナーも併設しています。
TAKATANAファクトリーツアーオープンに先立って、先月27日には開所式が行われました。デンソー専務役員の都築昇司氏は「取引先ではなく、一般の人にモノづくりを見てもらいたいと思って開所しました。工場はしばらく見ないと変化していく生き物のようなもの。その辺も見てもらい、子どもたちの発想を広げるきっかけになれば」と話しました。
開所式の後は、安城市高棚小学校の児童が先行体験。様々な仕掛けにテンションMAXの様子でした。