ロッテのチョコパイが新しくなったので工場見学に行ってきた。製造工程に隠された秘密を徹底取材!

2019/04/03
マガジンサミット編集部

ロッテ「チョコパイ」は1983年に発売され、現在に至るまで36年間にわたりお茶の間で愛されつづけているヒット商品です。その「チョコパイ」が7年ぶりにリニューアルを果たしました。

新しくなった「チョコパイ」はどのような進化をとげたのか? あの、掌におさまるアルミの個包袋のなかに、さまざまな知恵や工夫がいっぱい詰まっているに違いありません。そこで編集部は「チョコパイ」を製造する「狭山工場」(埼玉県)へとお邪魔し、その製造工程を特別に見学させていただきました。

写真)「チョコパイ」の工場見学!もう、期待しかありません。

ロッテ「狭山工場」は埼玉県狭山市を通る国道16号線沿いにあり、最寄り駅である西武鉄道新宿線「新狭山駅」からは徒歩7分ほどになります。

筆者が「新狭山駅」で下車すると、下りホームに流れてきた発車メロディーは“コアラのマ~チ♪”!「コアラのマーチ」のCMサウンドロゴですね。ちなみに、上りホームは“チョコレ~ト ロッテ♪”でした。(工場見学を前にテンションあがります!)

安全面と衛生面への万全体制

今回はガラス越しに工場内を見渡すような見学とは違い、実際に工場に入り製造ラインを間近で見て説明を受けるため、見学者たちの安全面と衛生面のチェックはかかせません。

まず、時計やアクセサリー、ヘアピンなど商品に混入の恐れのあるモノは全て取り外します。まちがっても毛髪などが落ちぬように帽子は二重に被り頭を覆います。顔にはマスクを、身体には専用の白衣を纏い、足首にはズボン止めを巻きます。

手洗い・消毒・指先の殺菌はもちろん、エアシャワーやバキュームホース、ブラシや粘着ローラーによる埃・塵落・髪の毛落とし。さらに、靴の裏の汚れを回転ブラシで落とすなどの作業を工場内の各エリアに入る度に行ないます。

もしかしたら、見学時間よりも衛生チェックをする時間の方が長いのでは?と錯覚してしまうほどの念入りさでしたが…もちろん!「チョコパイ」はお客様の口に入るもの。万が一にも商品に異物が混入するようなことがあっては一大事です。従業員の方々は日々、このような安心・安全・衛生チェックを必ずクリアしながら仕事や商品と向かいあっているのですね。

チョコパイの美味しさのヒミツとは?

さて、見学者は「チョコパイ」の【成型(せいけい)】→【焼成(しょうせい)】→【クリームをはさむ】→【チョコレートがけ】→【冷却】→【包装】→【梱包】の順に製造工程を巡ります。

まずは、原料の小麦粉やたまごなどを混ぜたものをビスケットの形に成型する【成型】→【焼成】エリアから。

写真)丸く成型されたビスケットの生地たち。

約60mにおよぶオーブンのなかを、生地がゆっくりと進みながら焼かれていく焼成エリアでは、オーブンに備えられた小窓から焼き具合を確かめることができ、約10m進むとビスケットの生地が広がりふっくらとしてくるのが分かります。

写真)オーブンに備えられた小窓。

焼きあがったビスケットは、型崩れしたものなどを人間の目と手によって選別され、冷されながらクリームを挟む工程へ。

片方のビスケットをバキュームで吸い上げ、クリームを挟み終えるとバキュームから外れビスケットサンドが来上がるシステムはお見事! この間、一度もベルトコンベアーは停止しません。

写真)まだチョコレートのかかっていない「チョコパイ」。焼きたてなので表面はサクサクでしっとり感はありません。(これはこれで、美味しいです!)

商品が工場から出荷され店頭に並ぶまでの間に、水分がゆっくりと生地に広がっていき、私たちの口に入るときには“しっとり”とした、あの「チョコパイ」独特の食感に変わるそうです。

表面の模様は、何故できる?

いよいよ、「チョコパイ」の製造工程はクライマックスへ! チョコレートが下から吹上げられ、上からはチョコレートがカーテンのように落ちる【チョコレートがけ】のエリアを通過し、万遍なくコーティングされていきます。

写真)まるでチョコレートフォンデュのよう!

ここで外せないのが、かかりすぎたチョコレートを落とす作業。これは「チョコパイ」の見た目のみならず、あの独特な食感を再現するためにも大切な工程です。

上から風で余分なチョコレートを吹き飛ばし、さらに小刻みに揺れ動くベルトコンベアーで振るい落としながら運ぶことで、全体的に綺麗なカタチへと仕上げていきます。なるほど「チョコパイ」の表面にあった、あの不思議な波模様はこの時にできたものだったのですね!

そして、最後は個包装と梱包のエリア。パッケージへ眼にもとまらぬスピードで印字される「賞味期限」「製造ロット」は、誤字や脱字などのミスを防ぐために、印字されると同時にカメラのシャッターが切れ、写真に残しながら確認する仕組みになっています。その他、X線や重量チェックなどを幾重にもされたのち、シュリンクフィルムで包装され梱包されます。

凄い!すごすぎる!!このようにして商品は私たちの手元に届くのです。安心、安全なお菓子をいつでも食べられる当たり前に感謝しなければなりません。

リニューアル後のチョコパイはココが違う!

この度の「チョコパイ」のリニューアルポイントは“しっとり・くちどけ感”。

ユーザーからの「チョコレート感をアップしてほしい」という声を反映し「チョコパイ」ならではの魅力と満足感はそのままに、ワンランク上の「チョコパイ」を目指しています。

チョコレートとクリームの比率や生地の配合を吟味しつつ改良を重ね、100通りを越える試作を繰り返し、実際に試食してもらいながら、ユーザーに納得してもらえる“食感作り”には苦労したそうです。

材料が変われば製造工程の条件も変わり、例えばオーブンの中の温度を微調整するなど各工程を見直さなければなりません。トライ&エラーを繰り返しながら、それらを調整し、めざす“噛み始めの柔らかさや、滑らかなチョコレートの口どけ”を実現させました。

実際に食べてみると…以前の「チョコパイ」に比べてチョコレートをより強く感じられるのに、食後、どうしても口に残ってしまったチョコレート感は減った気がします。確かに口どけ滑らかで食べごたえも充分です!(個人の感想です)

写真上)リニューアル後。下)ニューアル前。箱のデザインも一新。

ちなみにWEBページ「バーチャル工場見学」では、ロッテのお菓子づくりに対する理念やさまざまな商品の製造工程などを知ることができます。興味のある方は、ぜひ、覗いてみてください。詳細は「バーチャル工場見学」まで。

https://www.lotte.co.jp/entertainment/factory/tour/index.html

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