先日“クレソンブーム”についての記事を書く際に【しゃぶしゃぶ温野菜】さんに、大変お世話になった。快くクレソンについての取材に応じていただき、さらに「よかったら新メニュー試されませんか?」と『ごちそうクレソン鍋』と『トマトと黒毛和牛のすき焼きセット』を試食させていただくことに。
この棚から牡丹餅のような展開に、狂喜乱舞の編集部。すでに雑誌でも紹介され話題になっている「トマトと黒毛和牛のすき焼きセット」と新メニューを試食しつつ、ここぞとばかり野菜のプロに“春野菜の美味しい食べ方”を教えてもらいました!
温野菜は、肉より野菜が主役の店
『しゃぶしゃぶ温野菜』の野菜への拘り具合は凄い。肉の食べ放題だけを目的に行くのはナンセンス。それでは本当に、もったいないのだ。
そもそも“いろいろな国産野菜を気軽にたべられるお店”がコンセプト。あまり他店ではお目にかからない珍しい野菜が『しゃぶしゃぶ温野菜』には数種類もある。
その一つが『赤軸水菜』だ。
理想の野菜がなければ、育てよう!
茎の部分が紫色の“赤軸水菜”。実は『しゃぶしゃぶ温野菜』の料理長。森安氏が“種から見つけてきた野菜”。シャッキリとした歯ごたえがあり“水菜なのに味がある”のが特徴だ。
一部の限られた農家で育てられており、今では、ベジタブル感度の高い主婦などにも人気の赤軸水菜だが、温野菜の料理長が見つけたときは、まだ、あまり知られていない種の状態だった。「何これ?美味しいの?育ててみる?」から始まったそうだ。
野菜嫌いの人にこそ、食べてほしい
『しゃぶしゃぶ温野菜』では “主役にも脇役にもなれる野菜”を365日探し続けている。今年で3年目になる春の大好評企画『ごちそうクレソン鍋』も、そんなポリシーから生まれた。
温野菜で提供するクレソンは、酒の仕込み水にも使用される鬼怒川の伏流水で、土耕栽培される。3月から5月の今が、香りや味わいが濃く一番しゃぶしゃぶに適している季節なのだそうだ。
脇役どころかステーキの添え物でしかなかったクレソンが、鍋料理において主役になれるほどの潜在能力があると気がついたのは、例の赤軸水菜を種から見つけてきた森安料理長だ。
野菜とお肉を美味しく食べるポイント
『しゃぶしゃぶ温野菜』では野菜を、生(ナマ)で・肉で捲いて・煮て食べてと3つの方法で楽しめる。まさに、しゃぶしゃぶは野菜を愉しむためのフルコースなのだ。そこで、最高に美味しい野菜の食べ方を教わった!
- 【生で味わう】梅のソースが添えられており、つければ尚、美味しい!
- 【煮る】クレソンは、さらりと湯がくと、辛みが消えて優しい味になります。
- 【巻く】捲いて食べると…クレソンがお肉をひきたてること!
- クレソンは、煮た時間によって味が七変化。独特のエグみが好きな人は、長い時間煮込むと大人ほろ苦い味がする気がします!
【ワンポイントアドバイス】
お湯は沸騰させたら、一度温度を下げること。煮立ったまま“しゃぶしゃぶ”すると肉が硬くなります!
えっそうなの!野菜について5つの思い込み
取材をすすめていると、野菜について勝手に思い込んでいた事実がたくさんあることに気がつかされた。
1、朝より夕方採れたレタスの方が美味しい
例えばメニューにある『夕採れレタス』。朝じゃダメなのか?と質問すると
「太陽を浴び、光合成をしたレタスの方が栄養もたくさんです。それにレタスは夜、土の栄養を吸います。その栄養分のなかに苦味成分(硝酸態窒素)があるので、朝採ると苦味が残ってしまいます。つまり一日かけて苦味成分が少なくなった状態で収穫したのが『夕採れレタス』なんです」
そこでレタスを生でいただいてみると、…甘い!これ、普通に手に入らないのだろうか?
「簡単には手に入らないかも知れません。私どもも、契約農家さんに温野菜の拘りを理解していただくところからはじめました。今では良いパートナーさんです。ありがたいことです」
2、自然に生えたキノコは歯ごたえがいい
野生種の“えのき”と、白えのきのかけあわせた温野菜の“味えのき”はシャキシャキと歯ごたえがいい。風や光、湿度や温度など、自然に近い環で育てられることによって、適度な水分量で味が濃い食感が生まれるそうだ。
3、舞茸は、胞子を出す直前が“完熟”
「完熟した舞茸は濃厚な味と香りが特徴です。水分を極力抑えて育てているので、味、香り、食感が良いでしょう?」と、舞茸をお皿に取り分けていただいた。が、そもそも舞茸の完熟状態が分からない。聞いてみると…
「胞子を出す直前が完熟の状態なんです。温野菜では、その瞬間をねらって収穫することに拘ってます」
確かに、普段食べているものよりも、温野菜さんの舞茸は香りが良い気がする!。
4、ニンジンは外側を捨ててはいけない!
温野菜は野菜カットの仕方にも拘りがある。大根は薄くスライスされ、ニンジンは、くるくると薄く紐状にカットされている。この不思議な形状は、しゃぶしゃぶするときに食べやすくするために違いない。ところが…
「もちろん、それもありますが、ニンジンは芯より外側の部分が美味しいので、そこを召し上がって頂きたいですね。だから芯の部分を避けてカットしています」
5、もったいない!葉物の“茎”とキノコの“柄”
「例えば葉物は“茎”が、またキノコは“柄”の部分が美味しいんです。もちろん、お好みなので、茎や柄の部分をカットしてもよいですが、美味しいのでもったいないかな(笑)」
もしかしたら、家では捨ててしまっている部位こそ、野菜の旨味が詰まっているのかも知れない!
ちなみに、『しゃぶしゃぶ温野菜』の玉葱とニンジンは糖度が8~10度くらいある。これはイチゴと同じくらいの糖度だそうだ! だからザルに盛り付けられた温野菜の野菜達は、玉葱だって、ニンジンだって、クレソンだって生でむしゃむしゃイケるのだ。
- 野菜についてお話を伺った『しゃぶしゃぶ温野菜』オペレーション担当の中山さん。〆の特性パスタを作っていただいた!(真剣な顔です)
ところでプライベートでも野菜に拘っていますか?という質問に…
「ニンジンをくるくるする器械、ネットで買ってしまいました。手前味噌ですけれど、本当に美味しい野菜を食べたい時は、“温野菜”に行きます(笑)」
遠くの農家より、近くの温野菜?
最後に拘りのシャーベットをいただいた。
- シャーベットなのに味が濃い!ちゃんとイチゴの果肉が入っています!
取材をとおして気がついたのが“美味しい野菜”を食べたいと思っても、意外に、どの店に行ったら良いのか見当がつかないことだ。例えば郊外に足を伸ばせば、そういった専門店が少なからずあるはず。
しかし誰もが知っていて、気軽に自由にそして信頼できるお店となると、これは案外少ないのでは?
しゃぶしゃぶと店名にあるため、意外に盲点なのだが、美味しい野菜を食べたいのならば、あなたの会社(住まい)のすぐ近くにある『しゃぶしゃぶ温野菜』。ぜひ、旬の“春野菜”を味わいに行っていただきたい。
中山さん。『しゃぶしゃぶ温野菜』の皆様!本当にお世話になりました!
『梅だしでさっぱり ごちそうクレソン鍋セット』
【販売期間】2016年3月24日(木)~2016年6月1日(水)予定
『トマトと黒毛和牛のすき焼きセット』
【販売期間】2016年3月24日(木)~2016年6月1日(水)予定