
東京ディズニーランドや東京ディズニーシーの完全貸し切りイベントに抽選で招待される人気キャンペーン「JCB マジカル クリスマス」。ディズニーファンにとっては“夢のイベント”とも言えるこの企画が、2026年で36回目を迎える。今年はそのプロモーション戦略が大きく変わるという。
従来の広告中心の訴求から、ショートドラマを活用した新しいマーケティングへ。なぜ今その転換が必要だったのか。そこには、キャッシュレス時代の消費行動とメディア環境の変化があった。
■ディズニー貸切キャンペーンのプロモーションが転換
「JCB マジカル クリスマス」は、JCBカードの利用者を対象に、クリスマス時期の東京ディズニーランドなどを貸切で楽しめる特別イベントに招待するキャンペーンだ。1990年にスタートし、2026年で36回目。長年続く人気企画として知られている。
しかしJCBのマーケティング担当者は、近年の広告環境に課題を感じていたという。
「これまでは静止画バナーなどのペイド広告が中心でした。短期的なリーチは取れるのですが、広告が終わると消えてしまう“掛け捨て型”になりやすい。生活者の記憶に残りづらい構造でした」(JCBマーケティング担当)
実際、JCBカードの会員数や取扱高は増えている一方、「JCB マジカル クリスマス」の認知率は10%後半~20%前半にとどまっていたという。そこで今回導入されたのが、露出やコンテンツを資産として積み上げていく“積み立て型広告”という考え方だ。
テレビやWebメディアでのPR、SNSでの拡散、そしてショートドラマ。複数の接点を通じて認知を積み上げ、利用者の応募行動へとつなげる設計に変えたのである。
■“1万円=1口”という応募設計

このキャンペーンの特徴は、JCBカードの利用額に応じて応募口数が増える仕組みだ。JCBカード利用1万円(税込)=1口として抽選に応募できる。つまり、普段の支払いをJCBカードにするだけで、自然と応募口数が増えていく仕組みだ。
JCBのマーケティング担当者は、この設計こそが今回のプロモーションの核だと語る。
「新しい戦略の核は、“1万円(税込)=1口”という応募設計を、ユーザーの日常行動に無理なく組み込むことです。支払いの裏側にある“誰かのための行動”を物語として描くために、ショートドラマという表現を選びました」(JCBマーケティング担当)
日常生活でのカード決済が、夢のディズニー体験へつながる。その“行動の意味”をストーリーとして伝えるのが今回の狙いだ。
■ショートドラマで描く「日常とディズニー」
今回のプロモーションで大きな役割を担うのが、Webで公開されるショートドラマだ。脚本を手がけるのは、制作した動画の平均再生数が100万回というユニット「サネマリー」のなかじまさねあつさんと、元サラリーマンで「ただつわたなべ」というユニットで活躍する忠津勇樹さん。いずれも、ショートドラマ分野で注目される気鋭のクリエイターだ。
(YouTube:https://youtu.be/wKQMtcm7fMQ?si=yHXvss_fnPbp-BUy)
今回のショートドラマの内容は、日常の小さな出来事と「JCB マジカル クリスマス」を結びつけたストーリー。例えば、思春期の娘とクリスマスを過ごしたい父親、トレンドを追い続ける上司、不器用なサプライズを準備する恋人など、身近な人間模様の中に、JCBカードの決済が自然に登場する。
なかじまさんは、制作のポイントをこう語る。
「例えば商品の場合、その商品の性能や細かい機能の説明文などを求められることがほとんどなので、それをいかに自分のスタイルと上手く組み合わせるかは一番意識しています。また説明文が続くと視聴者は飽きてしまうので、本題に入るまでの過程が自然に見えるように気をつけています」
一方、忠津さんは企業タイアップならではの工夫を明かす。
「ショートドラマは、ブランドコミュニケーションの入り口であるポジティブなイメージの醸成・獲得が得意なジャンルです。『広告とわかっていても面白く最後まで見てしまった』という視聴体験を提供できるように日々考えて制作にあたっています」
■“ついつい見ちゃう広告”がカギ

SNS時代の広告では、露骨な宣伝は敬遠されがちだ。そのため企業は、広告を「ストーリー」や「共感」の形で届ける手法を模索している。ショートドラマもその一つだ。
JCBのマーケティング担当者はこう説明する。
「“知っている”から“理解している”、さらに“応募したい”へと態度変化を自然に促していくことを重視しています。ショートドラマは、みなさんの生活の一部を切り取った内容が多く、かつ1~2分間くらいの短尺ものが多いので、ついつい最後まで見てしまう人もいるのではないでしょうか。そんな、“ついつい見ちゃうコンテンツ”の中に『JCB マジカル クリスマス』を加えることによって、『JCB マジカル クリスマス』がより皆様の日常に溶け込んだ存在になってくれるのではないかと考えています」
つまり今回のプロモーションは、ディズニー貸切イベントの告知だけではない。カード利用という日常行動と、特別な体験を結びつける新しいマーケティングの実験でもある。
普段の支払いが、未来のディズニー体験につながる──。
そんなストーリーを、ショートドラマという形で届けようとしているのだ。
【「JCB マジカル クリスマス 2026」特設サイト】
https://www.jcb.jp/promotion/c25_057magical/brand.html?tk_id=jp_otot_c25_057magical_25
【「JCB CARD」公式YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/@jcbcard5637






