夏と言えば、お化け屋敷、肝試しでしたが最近はホラー映画のようでございます。この夏も、ホラー映画が続々上映予定でございます。
一昨年のヒット作「IT/イット“それ”が見えたら、終わり。」の第2章となる「イット:チャプター・ツー(原題)」も話題でございます。
がしかし!でございます。大人絵本ブームの昨今、今年は是非、本格ホラー絵本で涼しくなって頂きたいのでございます。
絵本業界で有名なのが、怖い絵本ブームの火付け役として大反響を得た絵本出版の老舗、岩崎書店の「怪談えほん」シリーズでございます。
このシリーズ、何がゴイスーかと申しますと、作家さまの顔ぶれでございます。怪談や幻想文学の第一線で活躍する作家が物語を担当。
京極夏彦さま(「いるのいないの」)、宮部みゆきさま(「悪い本」)、恩田陸さま(「かがみのなか」)など、錚々たるメンバーでございます。もちろん、顔ぶれだけでなく内容もゴイスーでございます。
実はこの「怪談えほん」シリーズ、この夏から第3期がスタートいたします。
今回も作家には、あさのあつこさま、有栖川有栖さま、佐野史郎さま、藤野可織さま、夢枕獏さまなどがラインナップされております。
このシリーズは、絵もウリでございます。大人好みのアート心をくすぐる人気画家が絵を担当されております。妖しく、恐ろしく、そして美しくでございます。
まさに大人向けのホラー絵本でございます。
なかでもオススメの作家さまは、この「怪談えほん」シリーズにも参加している軽部武宏さまでございます。怖い絵本といえば、この人!というくらい怖い絵本を描かれております。怪しげな画の第一人者的な存在でございます。ちなみに、去年は「ばけバケツ」という作品で第23回日本絵本賞も受賞されております。
そんな軽部さまの作品の中でも特に怖くてシュールでオススメなのが、こちら。
「こっそり どこかに」(作・絵:軽部武宏 出版社:長崎出版)
怖すぎて子供に見せるのをためらう程のシュールさでございます。この世界観は大人の方がより理解できるかと。是非、読んで頂きたい一冊でございます。
秀逸なホラー短編映画を観てるような気分を味わえるのでございます。
ただ、出版社が倒産したため、現在入手困難な希少絵本となっておりますので、図書館などで借りて読んで頂ければと…。
(文:絵本トレンドライター N田N昌)