「韓国」と聞いて何を思い浮かべますか?
少女時代?東方神起?それとも冬のソナタ?
私は「映画」です。
韓国で映画?と思った方でも、「シュリ」や「猟奇的な彼女」「私の頭の中の消しゴム」などは、タイトルくらい耳にしたことがあるのではないでしょうか?
実は今、韓国映画が世界中から高い評価を得ているのです。
実際、日本の芸能界にもファンは多く、ライムスターの宇多丸さんや水道橋博士さんもその一人。
もしも韓国映画と聞いてソン・ガンホやポン・ジュノ、キム・ギドクなどを連想した方がいたら結構なマニアです。
ひょっとしたら「飛び蹴り」が浮かんでいる方もいるかもしれません。
もうそうなるとオタクレベルです。
しかし、韓国映画には実際「飛び蹴り」のシーンが多く出てきます。
映画監督の松江哲明さんも韓国映画の特徴を「ベタな恋愛」「鈍器とドロップキック」「ポリティカルサスペンス」と言い、宇多丸さんは「飛び蹴りがキレイに決まる韓国映画にハズレはない」と言っているほど。
では、韓国映画がなぜ世界中から評価されているのでしょうか?
私は映画評論家ではないので、評論することはできませんが、個人的に韓国映画が好きな理由を挙げさせてもらいます。
韓国映画が好きな理由 その1・・・「タバコ」と「焼酎」!
韓国映画には必ずといっていいほど出てくるアイテムがあります。
それは「タバコ」と「焼酎」!
この二つを使った感情表現が非常に上手です!
タバコを吸うだけで、焼酎を飲むだけで、苛立たしさや悲壮感、絶望感、歓喜など、様々な感情をセリフ以上にズシリと伝えてくれます。
韓国映画が好きな理由 その2・・・「実力あるのみ」!
安易なイケメン俳優の起用がない。
日本では二枚目俳優をとりあえず主演にしがちですが、韓国映画は演技力を重要視。
だから、誰ひとりとしてカッコいい俳優が出演していない映画もたくさんあります。
韓国映画が好きな理由 その3・・・「顔ヂカラ」!
もっとも韓国映画が好きな理由は「俳優たちの顔ヂカラ」。
つまり表情のことなのですが、表情を超えた表情だとご理解ください。
言葉の壁なんか一気に超えてくれます。
韓国映画を見る際、俳優たちの「顔ヂカラ」に注目です!
それでは、これらを踏まえオススメ映画をご紹介したいと思います。
『殺人の追憶』
韓国の農村で実際に起きた未解決事件を題材にしたサスペンス。
1981年~91年にかけ10人の女性が殺害された。
3000人の容疑者が取り調べを受け、180万人の警察官が動員されたが、犯人が捕まらないまま時効を迎えた事件です。
もう一度言います、この映画は「未解決事件」を題材にしているのです。
つまり「犯人が捕まらない」「事件が解決しない」ことがわかっていながら映画を観るのです。
ではどうやって映画を終わらせるのか?
それは見てのお楽しみなのですが、とにかくスゴイです!
この映画のラストワンシーン、ラストワンカット、いや「ラスト1秒」圧巻です!
ネタバレになるので何も書けませんが「顔ヂカラ」に圧倒されます。
これを越える衝撃のラストと「顔ヂカラ」はありません!
『執行者』
この映画こそ、演技力と内容で勝負をしている「イケメンがいない」代表作!
これは死刑を題材にして命とは何かを考えさせられる映画です。
決して死刑制度反対うんぬんのお話ではありません。
とある刑務所に勤務することとなった主人公の新人刑務官。
恋人と仲がよく、どこにでもいる普通のカップルなのですが……
主人公が務める刑務所に死刑判決を受けた連続殺人犯が来たことで、大きく歯車が狂い始めます。
死刑執行人の一人として主人公が選ばれてしまったのです。
「受刑者を更正させたいという思いで刑務官になった自分が人を殺す?」主人公の心が揺れ動きます。
恐怖や葛藤などからイライラが募り、彼女に伝えられぬまま冷たく当たってしまう。
そんな時、彼女から妊娠を告げられるのです。
「死刑を執行した手で子を抱けるのか?そもそも自分に人が殺せるのか?」
連続殺人犯に対し、何の恨みもない自分が刑を執行する。それは何の罪もない人を何人も殺した殺人犯と同じではないのか?
法が人を裁くというが、法が刑を執行することはなく、あくまで刑を執行するのは人間。
結局、人を殺した人を、人が殺しているだけだ。
被告が死刑宣告を受けたその瞬間、法廷内で遺族が被告を殺害したら罪に問われるのに、なぜ何の恨みもない自分が被告の首にロープを括ることが罪ではないのか?果たして、彼を待ち受ける運命とは?
ぜひ、その目で確かめてください。
今回ご紹介した2タイトルは、もしかしたら入門編ではないかもしれないですが、是非とも観ていただきたい作品です。
そして、これを期に韓国映画を好きになってくれたら嬉しいです。