北朝鮮と韓国、分断の悲しい歴史を観る。韓国映画おすすめセレクション

2016/02/08
タキマスミ

ついこの前まで暖かったと思ったら、今度は40年ぶりの大寒波。休日も、この寒さのなかでは出かける気になりませんよね。そんな時は、前日にレンタルショップへGO!韓国映画でHOTになりましょう。

ということで、オススメ韓国映画をお送りいたします。

 

韓国映画と言ったら避けては通れないのが、朝鮮戦争や脱北、工作員など【北朝鮮】絡みの作品。ちなみに日本でも話題となった『シュリ』や『ブラザーフッド』『シルミド』などがそれに当たります。

 

解りにくい政治問題は映画で理解

南北問題は、隣国である日本人にとって、決して対岸の火事ではありません。

拉致問題や核開発問題、そしてミサイル発射実験など、日本と北朝鮮の間でも早期解決しなければならない問題がたくさんあります。その一番の近道はまずは国民一人一人が関心を持つこと。そこで、韓国映画を観ることで、北朝鮮について考える時間が少しでもできればと思います。

 

それでは参りましょう!今度の週末に観てもらいたい韓国映画!

まずは・・・

『高地戦』

2011年に韓国で公開され大ヒットした朝鮮戦争が舞台のアクションドラマ。数々の賞を受賞した作品で、戦闘シーンは『プライベートライアン』を凌ぐという人も多い戦争映画の名作です。

 

しかし、この映画を鑑賞するにあたり、絶対に守ってもらいたいことがあります!それは、DVDパッケージの解説やYOUTUBEの予告編、ネット内での感想など、一切目にしないでください!あらすじは以下にあるのだけで十分です!

これ以上の情報は絶対に入れないでください。

高地戦
高地戦 [DVD]
シン・ハギュン (出演), コ・ス (出演), チャン・フン (監督)。
出典 amazon
あらすじ:1953年、朝鮮戦争の停戦協議は難航し、南北の境界線を争う高地では、領地を奪っては奪い返す激しい攻防が続いていた。そんなある日、韓国諜報隊員のカン中尉は、激戦区のエロック高地に人民軍の内通者がいるという情報を詳しく調査するため現地に赴く。カン中尉はそこで、かつての学友スヒョクと再会するが、心優しい青年だったスヒョクは過酷な戦場で変わり果て、冷徹な人間になっていた。地獄のような日々が続く高地で、兵士たちは一刻も早い停戦だけを願って生き続けていたが、ついに極限を超えた日が訪れる。
参照:http://eiga.com/

 

 

この映画はネタバレすると本当に全てが台無しになるので、多くを書けないのが心苦しいですが、騙されたと思って観てください!誰もが劇中で訪れる驚愕の事実に言葉を失います。こんな展開は誰も予想できません!

 

“山ほど殺したから地獄に落ちるべきなのに、今以上の地獄がないからここで生きている”

 

これは劇中で出てくる絶望や悲壮感などが伝わる僕の好きな一場面でのセリフです。

 

そして、もう一つ。生への一縷の望みを見出すため、イ・ジェフンが仲間たちを奮起させようと演説をするシーンがあるのですが、これが超カッコよくって大好きなシーンです。

 

この作品は、「戦争ものはハリウッド映画に限る」と思っている人こそ観てください。その質の高さに、凝り固まった概念は一発で吹き飛ばされるでしょう。

とにかく、理屈抜きで是非とも観ていただきたい作品です。

 

 

『JSA』

2000年に韓国で公開され、入場者記録を塗り替えた大ヒット作品。日本でも話題となった映画なので観た人も多いと思います。

JSA [DVD]
JSA [DVD]
ソン・ガンホ (出演), イ・ビョンホン (出演), パク・チャヌク (監督)。
出典 amazon
あらすじ:南北分断の象徴である38度線上の共同警備区域(JSA)で射殺事件が起きた。しかし、生き残った南北の兵士たちはの証言は全く食い違うモノだった。そこで、中立国監督委員会は責任捜査官として韓国系スイス人である女性将校を派遣。彼女は事件の当事者たちと面会を重ねながら徐々に事件の真相に迫っていく。そこには全く予想外の「真実」が隠されていた!
参照:http://movies.yahoo.co.jp/

 

国と国は対立しているが、元々は同じ人種。そこに友情や愛情が生まれるのは、人間として至極全うなことなのかもしれない。JSAはそんな南北間での「友情」を描いた作品です。実は、こうした南北間の友情を描いた作品は結構多く、『高地戦』でもそんな場面が出てきます。

 

物語自体は実に狭い範囲内での話で、大きな動きはなく、ハラハラドキドキする展開もないですが、凄く一人一人に感情移入できます。

 

そして、韓国映画お得意のラストワンシーンでは、思わず「お見事!」と言いたくなると共に、切ないけど心から「良かった!」と思える最高の締め方です。

ぜひ、一度ご覧になってください。暴力シーンや戦闘シーンもありませんので、誰でも見ることができると思います。

 

韓国は徴兵制度があるので、戦争映画での役者たちの演技にはリアリティがあります。オモチャの拳銃やオモチャの手榴弾を、演技のためにしか触ったことがない人間の演技と、本物の拳銃と本物の手榴弾を、戦争が再開したときの為に手にしてきた人間とでは演技に大きな差があるのは当然です。

 

いつ北朝鮮との戦争が再開してもおかしくない状況で生き、生活している人間とでは緊張感や緊迫感が違うんです。

 

韓国の『南北』作品オススメです!

1336271
韓流旋風 2016年1月号
 コスミック出版

 

 

< 取材・文 / タキマスミ >

 

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この記事を書いた人

タキマスミ

放送作家。1976年生まれバラエティ番組や情報番組などを担当。 韓国映画・海外旅行・漫画など、個人的に興味のあることをご紹介できればと思います。

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