サバの味噌煮に合うワインなどソムリエが提唱する和食とのペアリングを家庭に。そして世界で広がるノンアルコールの魅力とは

2022/06/14
マガジンサミット編集部

今回も前回に引き続きお話しを伺ったのはソムリエでもあり、ワインの輸入卸を行っているアティ・ジャパン株式会社の代表取締役 園部 豪さん。ソムリエとしてのペアリングに対する考えや、それを踏まえた今後の事業展開について語ってくれた。

ソムリエの資格を持っている園部氏にペアリングに対する考えを聞くと飲食店はシェフがいれば成り立つが、ソムリエがいないとレストランは成り立たない。ソムリエなどお酒に精通した人が常にシェフと新しい世界観を作り上げていくのがレストランだと考えていると話す。

レストランが提供するのはコース料理で家で食べるものとはわけが違う。また、日本の食は他の国に比べても四季にある旬の食材や産地を大切にするため、それにあったペアリングを提供するのも大事だ。フレンチはソースの文化、和食は出汁の文化のため、和食と合わせるものは控えめで調味料のような位置づけでお酒もペアリングしていきたいというのが園部氏の考えだと話してくれた。そして、それがソムリエがいなければ成立しないとも考えている。

そのようなソムリエとしての経験、考えを踏まえて、日本のつまみ文化に合わせ、今後はサバの味噌煮に合う一杯などを「和食とワイン」として提案していくアラカルト料理を提供するお店を考えている。コースではなく気軽に頼める一品料理だが、それに合うお酒が提供されるスタイルだ。

そうすると飲み方、食べ方がわかり、家でも気軽にプロが提案するような料理とのペアリングを楽しめるようになる。そして、それを通してアティ・ジャパンのワインやシャンパーニュを楽しんでもらいたいと園部氏は話す。そのためにも今後は自社サイトで個人も購入できるようにしていきたいと考えている。

ただ、実店舗とインターネットの融合が難しいと現状課題をあげた。そのため、有名なプロのシェフも認め、プロの料理人や有名レストランが取り入れているワインだから飲んでみたいと個人でもインターネット上で購入して飲んでもらえるようになることが目標と話す。

ノンアルコールの魅力を聞いてみると、最近ではカップルで食事にくる際にアルコールをあまり飲まない女性が多く、ノンアルコールでも高級ワインのような価値のあるものを飲みたいという女性のニーズがあると話す。その時に同席者がワインを飲んでいたら、クオリティの高い、ブドウジュースなどを提案、シャンパンを飲んでいたら、スパークリングウォーターを提案すると同じ価値観や食感を共有できる。

またグラスも同じようにシャンパングラスに入れる工夫をレストランがすると雰囲気を味わえる。海外ではノンアルコールのジンが作られるなど世界はノンアルコール化、低アルコール化が広がってきている。中東などでは宗教上の問題で飲めないものの、アルコールへの興味はあるようでノンアルコールビールやノンアルコールのロゼワインなどが売れている。

そんなコロナ禍もあり、日本もノンアルコール化が進む中、今後はノンアルコールのワインの導入も考えていると話す。そして和食とノンアルコールのペアリングもやってみようと考えている。ハラルなど宗教上でお酒を飲めない人、車を運転する人、アレルギーを持っている人などアルコールなしでもレストランで食事をする時に楽しめるようにしたいと園部氏は今後の活動・展開を話してくれた。ワインを熟知し、レストランでソムリエとして働くことで現場を知る園部氏の視点だからこそ、アルコールやノンアルコールに関わらずペアリングが普及し、今後もフランス、ブルゴーニュ・ジュラ地方のワインが日本に知れ渡っていくことだろう。

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