ビジネスの現場では義理や人情といった人との繋がりよりも、利益が優先されることも多くあります。確かに会社を存続させていくうえで利益の確保は大事なことかもしれません。しかし、お金で買えない本質的な成功を求め、義理と心を大事にしている会社もあるのです。
株式会社グリーンランドでFounder&CEOを務める川村英之さんは、「お金では買えない本質的なものを得ることこそが、成功である」という信念のもと会社を経営。今回は川村さんの経営哲学に迫ったインタビューをお届けします。
株式会社グリーンランド Founder&CEO 川村英之さん
川村英之さんは1963年生まれの広島県生まれ岡山県育ち。大学卒業後、新卒でTHK株式会社に入社。その後、商品先物取引の会社で投資商材の営業、塗装会社での営業を経験し、1997年株式会社グリーンランドを設立。 同社はリフォームやガーデニングなど、住まいに関する6つの事業を展開しています。
企業URL http://www.green-land.co.jp/
川村英之さんインタビュー
株式会社グリーンランドの強みは、OB客からのリピート・紹介受注。リピート売上は2003年に1億6000万円でしたが、今では7億円まで上がり、紹介からの売上は3億円に及びます。全体売上の3割がOB客から発生している計算です。
川村さんは「“心が通った仕事をしていれば、お客様は必ず戻ってくる、まわりに紹介もして頂ける”という思いで仕事をしています。社員には『お金では買えない本質的なものを得ることこそが、成功である』と話しており、リピートや紹介を頂けることもそのひとつであると考えています」と語ります。
また、グレーな体質が横行している建築業界においても川村さんは決して流されることはありません。
「フェアじゃない人たちと同じ土俵には乗りません。社員には『馬鹿正直に仕事しなさい』と言っていて、私自身、嘘もお世辞も言わないです。社内では、立場関係なく正直に意見を言わせています。世の中の会社はそんなことは許されないでしょうが、うちの会社はそれでOK。私はその意見のすべてに納得していますし、上から見ていたのでは気付かない問題点を率直に知ることができています」
仲間との絆、生まれ持ったミッション
かつて経営状況が悪かったとき、退職者が続出。風評被害も多発し、本当に辛い思いをしたという川村さん。そんなとき、ある一般社員から「皆の前で、絶対に会社をつぶさないと言ってください」と言われ、全社員の前で泣きながら宣言したことがあったそうです。
「今その社員は常務にまで昇進して、一緒に切磋琢磨しています。彼のあの一言で覚悟が決まり、良い方向に変わっていきました。仲間に支えられて、今の私とグリーンランドがあります」
「人間は皆、ミッションを持って生まれてきます。私は幼少の頃、まわりに不幸な人が多かったのですが、彼らを助けられなかったことが今でもトラウマとして残っています。この事業や人生を通して、困っている人を助けられる人間になることが、私のミッションであり挑戦だと思っています。人生は、不安に思っている95%のことは起きません。余計な想像をする暇があったら、新たな挑戦をすることが大事ですよ。何があっても、人は生きていくしかないのですから」
現在行っている取り組み
「新築、リフォーム、ガーデン、不動産に関わっているものが今のサービス内容ですがお客様はいろんな買い物をされますよね。旅行、車、洋服だとか… そういった業界にもお客様のニーズに応えるという部分では勝つ事を実現できるようにしていきたいです。」
川村さんにとっての「挑戦」とは
「毎日をワクワクしながら生きる。仕事というのはお客様が本当に欲しているものを追求する。お客様に最高のワクワクを提供し、喜びにあふれた笑顔を見ることができるこの仕事はものすごく楽しくて、私自身もワクワクし社員にとっても、職人さんにとっても、会社にとっても、そしてお客様にとって も、HAPPYになる事を追及し続ける事です。」
お金で買えない本質的な成功を求めていく川村さんの経営姿勢。こういった企業が他にも増えていけば、その仕事に関わった人達みんなが幸せになれるという形が増えていくと思います。