富士通とPivotalが協業。シリコンバレー流アジャイルラボ開設や認定制度も

2018/05/14
Shoichi Sato

日本を代表する総合ICTベンダーである富士通株式会社と、エンタープライズ企業のアジャイル開発やエンゲージメント支援しているPivotalジャパン株式会社が、このほどパートナーシップを締結。デジタルビジネス領域において協業することで合意し、5月10日には富士通ソリューションスクエア(東京都大田区)で記者説明会を実施しました。

日本のデジタル革新を牽引する富士通は、あらゆる業界でデジタルビジネスへのシフトが加速していることに着目。従来とは異なるアプローチを展開するため、今年4月にPivotal社が提供するアジャイル開発サービス「Pivotal Labs」を採用し、アジャイル開発人材の育成を強化しています。

壇上に立った富士通デジタルフロントビジネスグループ エグゼクティブアーキテクトの中村記章氏は、今回のパートナーシップ締結について「よりビジネスのスピードを上げていき、アイデアを形にしていく」と話していました。

中村記章氏

近年、マインドを変えてアイデアを素早く実装し、継続的に価値を高めていく手段として注目されているリーンスタートアップとアジャイル開発。これらに早期から取り組んでいたのがPivotal社です。

同社は1989年に、アップルやグーグル、フェイスブックといったベンチャー企業発祥の地であるアメリカのシリコンバレーで創設されました。世界30拠点、約1,000人のチームで構成されており、日本では2016年1月から運用がスタート。グローバルで培われた技術やノウハウを富士通に展開していきます。

先日、東京・蒲田のPLYにて開催された共同記者説明会ではサービス事業担当シニアヴァイスプレジデントのエドワード・ハイアット氏、Pivotalジャパンカントリーマネージャー正井拓己氏がそれぞれプレゼンを行いました。

エドワード・ハイアット氏

正井拓己氏

共創型開発体験でスペシャリスト人材を創出

今後の取り組みとしてはまず、2018年度第2四半期にクラウドネイティブ基盤ソフトウェア「Pivotal Cloud Foundry」を活用したインテグレーションサービスを提供していくとのこと。これにより、市場の新たな要求に応えるデジタルサービスの短期開発実現を目指します。

また2018年度下期には、新たなサービスや事業を顧客と共に開発する場として、富士通ソリューションスクエア内に「富士通アジャイルラボ(仮称)」を設立予定。同所はPivotal社の方法論を用いた開発スタイルで、共創型開発体験での実践を通じてマインド変革とチーム作りを支援します。さらに、「朝食を一緒に摂る」、「休憩中は卓球でリフレッシュする」など、シリコンバレー流の空間演出も。

「富士通アジャイルラボ(仮称)」の実践を通した人材育成も視野に入れます。アジャイルスペシャリスト認定制度を設け「シニアアジャイリスト」や「アジャイリストアソシエイト」など、スキルや経験といった実践力の可視化を実現。2020年度末に、リーダー以上550人が目標です。

今回のパートナーシップ締結により、コンサルティングやエンゲージメントサービスだけでなく教育サービスも加速します。富士通アジャイルラボが日本のシリコンバレーとなり、社会を豊かにする“デジタルイノベーター”が誕生するかもしれません。

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この記事を書いた人

Shoichi Sato

地域ミニコミ紙の編集記者、広告代理店を経てフリーライターとして活動中。趣味は山登りなど、スポーツ全般の元高校球児。未確認生物や宇宙、戦国時代 などが好きなロマン追求型。座右の銘は「気は遣うものではなく、配るもの」。 ブログ:s1-thats-WRITE

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