『家呑みよりも、気になる町で独り呑み』今回は<銀座八丁目>に繰り出します。夜の銀座でひときわ華やぐ八丁目界隈。博品館の裏側、金春通りに入ると、すぐ左側にある遺跡をご存知でしょうか?
その名も「銀座金春通り煉瓦遺構の碑」。明治政府が大火を恐れ、銀座に延べ約10kmの煉瓦街を造り上げた時の遺構がかつての金春屋敷跡内で発掘されたことから、金春通りに建立されたそうです。
※{金春屋敷:江戸時代この地にあった能楽の名門金春流の屋敷跡}
江戸から現代につながる町の遺産を通り過ぎ、お目当ての店へ。
そこは鮨・九兵衛の目の前にある「炭火焼 てしお」。名店ひしめくエリアの路面店。カウンターの一番はじっこに陣取ります。
まずは生ビールで喉を潤し、お通しの「胡麻豆腐」をひと口。すると…薄く張ったダシとの相性が抜群で、醤油をかけて食べるよりずっと美味。お通しが想像以上に美味しかったことに気を良くしたところでメニューを凝視。おすすめは「カツオの刺身」というのだが、「大間のまぐろ」に決定。
何故なら数日前に「今年は大間のまぐろが歴史的な不漁」というニュースを偶然視ていたから。あっ!こんなところで逢えるなんて運命に違いない。
その事を店員さんに告げると、冷蔵庫から包みを取り出して「5日間熟成させた赤身なんですが、少し筋が多いんですよ。やっぱりカツオにします?」との反応。でも、すでに私のスイッチは「大間のまぐろモード」にガッツリ入っていたので今さら後戻りはできない状況。ところが・・・
出されたまぐろをいただくと、う、旨い~。叫びたくなる衝動を押し殺しながら口の中に広がる濃厚な味を受け止めます。包丁の入れ方に配慮してくれたのか、筋はまったく気になりません。<赤身><5日間の熟成><大間>という単語が頭の中でループしていきます。
次の狙い目は「牡蠣」。いくつか食べ方が選べるのですが、店名に“炭火焼き”と掲げている店なので「焼き牡蠣」をオーダー。焼き上がりまで待つ事しばし。何気なく周りを見渡すと「同伴」と思しき男女が…(七丁目から八丁目はクラブの密集地帯)。
さらに飛び込みのお客さんもチラホラ。界隈では貴重な入りやすくて美味しい店ということがわかります。(だいたい一人1万円ぐらいです)
こちらも予想を超える美味しさ。パリッと焼かれた表皮の奥から生でもイケる牡蠣のエキスがあふれ出してきます。その余韻を口の中に残しながら、おすすめの麦焼酎「銀座のすずめ琥珀」をチビリチビリといただけば言う事ナシ。
あと2~3品はいけそうな感じでしたが、目に飛び込んできたのは“すき焼き”の文字。年の瀬にこれ以上ないほどしっくりくる4文字。しかも、シメには残った汁をごはんにたらして生卵を加える贅沢なTKGがあるという。
すき焼きは安定の美味しさ。肉はもちろんだが、寒い時期には味が染み込んだネギが最高。きれいにたいらげると、ごはんと生卵がやって来ました。
旨みが凝縮した汁と生卵の相性は“すき焼き”が証明済み。自宅ならまだしも、銀座でこの食べ方が出来るとは…(嬉しい)2019年は銀座から!とお考えの方、新年会などは人数と予算を伝えれば、相談にのってくれるそうです。
今回のおすすめポイント】
▶店舗力:★★★★☆
▶商品力:★★★★☆
▶サービス力:★★★★☆
<炭火焼 てしお>
住所: 東京都中央区銀座8-8-18 1F
電話:03-3573-4060
営業時間:[月~金・祝前]18:00〜27:00(年末年始の営業はお店に要確認)