【東京ほっ都スポット】 ~息抜きするならこんな場所~ 【銀座編】

2021/01/04
遠藤 昇輝

なにかと息苦しいご時世ですが、ほんのひと時…気分転換。

今回は例年とは異なる年の瀬、年明けを迎えた日本一の商業地、中央区銀座の穴場へご案内します。

和光と並ぶ銀座のランドマークといえばこちらのライオン。今年はマスク着用のせいか、表情がどこか寂し気。そんなライオンの姿を道行く人たちが次々に写真に撮っていきます。

来年の年始はマスク無しのライオンと再会したい。そう思わずにはいられません。

そんな銀座の一角に目指す「東京ほっ都スポット」があります。

銀座三越から三原橋交差点方向へ少し歩くと現れる袋小路。

この奥にあるのが『中華三原』という町中華。

知っている方にとっては何度か見た光景かもしれませんが、知らない方にとっては奇跡の光景といっても過言ではないはずです。

東京都中央区銀座5丁目という都内屈指の商業地に2階建ての物件が現存している…。

その事実に毎回感激してしまうのは筆者だけでしょうか?

開業は前回の東京オリンピックが開催された昭和39年(1964年)。

半世紀以上もの間この地で愛されてきた古参店へお邪魔しましょう。

店内の突き当り、トイレに近いこの席が今回の「東京ほっ都スポット」です。

誰とも目線を合わせることなく、落ち着ける場所。

銀座の町の変化が大きいほど、何も変わらないこの場所の有難さが身に沁みます。

ここに座りたくて、お腹が空いていなくても、筆者は喫茶店代わりに立ち寄ります。

しかも、周辺のお店でコーヒーを飲むより安上がりなのです。

そんな時、注文するのはこのワンタン。

アッサリとした昔ながらの醤油味。流行りのラーメン店の味に慣れ親しんだ方には少し物足りないかもしれませんが、テーブルの上の調味料で自分好みにカスタマイズするなら、このぐらいが最高なのです。おいしくて、懐かしくて、身体の芯まで温まる一杯が550円。

銀座で半世紀以上生き残って来た古参店、凄まじいコスパの高さです。

地元の方や常連さんにも愛される「中華三原」。先日、こんなシチュエーションに遭遇しました。平均年齢70代と思われる男性客が4名。その中の一人が退院したので久しぶりに会ってお祝いしよう、となったようでした。その主役の方は「中華三原」では黒帯とも言える常連中の常連らしく、仲間にはアレコレ料理をすすめるのですが、ご自身は「俺、腹減ってないからいいや」と言い出したのです。この光景を見て筆者が改め感じたのは『中華三原』の素晴らしさ。だって、「食べたくない」のに暖簾をくぐりたくなる店って凄くないですか?

喫茶店じゃなく町中華なんですから。

そして、ふと我に返ると、自分も喫茶店代わりにワンタンを食べに来ていることに気づいた次第です。

銀座の迷宮で「ほっとひと息」ついたら、次の仕事場へ。

大通りに出て現実に戻るのは、ほんの少し後回し。

袋小路のお隣にある<三原小路>を通っていきましょう!

ちなみに<三原小路>にはお稲荷さんが鎮座。

2021年の始まり、ちょっと立ち止まって手を合わせてみるのもいいかもしれません。

今年がみなさまにとって良い一年でありますように。

 

住所:東京都中央区銀座5-9-5

電話:03-3571-4359

営業: [月~土]は営業 [日・祝]定休

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遠藤 昇輝
この記事を書いた人

遠藤 昇輝

1968年東京生まれ 放送作家として数々の「東京の町歩き番組」を手掛ける傍ら“情報収集”と称してテレビ業界の面々が通う「独り呑みの店」を渡り歩く。東京の町の貴重な遺産を紹介するため一般社団法人東京遺産協会を設立。 町歩きプランナーとして自治体の魅力発信事業等にも参加。

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