北へ旅をしようと決めた。できれば、なるべく少ないお金で。移動手段は…電車？思いついたのが“青春18きっぷ”。
言わずと知れた、年間約70万枚も売れている日本全国のJR普通列車に乗り放題のフリーパス。
そして、もう一枚がJR最強といわれる“北海道＆東日本パス”。
「青春１８きっぷ」って、何？
青春18きっぷを簡単に言うと「全国のＪＲ線の普通列車が１回あたり2370円で乗り放題になるきっぷ」のことを言います。
毎年、春・夏・冬の年3回発売され、1枚11,850円です。
それぞれの発売日と利用期間は以下です。（2016年現在）
春：【発売】2月20日～3月31日 【利用期間】3月1日～4月10日
夏：【発売】7月1日～8月31日 【利用期間】7月20日～9月10日
冬：【発売】12月1日～12月31日 【利用期間】12月10日～1月10日
押さえておきたいルールは３つ。
■１日、何度でも乗り降り自由。
0時過ぎた終電に関しては東京・大阪近郊の特定区間ならば可。
特定区間 https://www.jr-odekake.net/railroad/ticket/guide/02.html
■5日（回）分または、5人までのグループ利用が可能
■基本的にJRの在来線（普通列車）しか使えない
何キロ以上行乗車すると、お得？
細かいお金の話になるのですが、青春18きっぷの一日当たりの値段が2370円なので、片道運賃が2370円以上かかる時に使うのがお得ということになります。
ＪＲの運賃表を見てみると、141ｋｍ～160ｋｍの区間がこれに当たります。
東京駅から西へ向かう場合、静岡県富士市にある吉原駅がこの距離に該当します。往復して戻ってくる場合は、大体半分の71ｋｍ以上移動すればお得なんですね。
ちなみに日程的にはかなりキツいですが、普通列車だけを乗り継いで、一日で東京から福岡まで行くことも可能です。
原則、青春18きっぷでは特急列車に乗れない
特急券を別に購入したとしても特急列車には乗れません。
乗車券と特急券が必要です。しかし例外として一部“青春18きっぷのみ”で特急券を利用できる区間があります。
奥羽本線 青森～新青森間
宮崎空港線 宮崎～宮崎空港間
石勝線 新得～新夕張間
青春18きっぷには、普通・快速列車が運行されていない区間に限り、特急の自由席に乗れる特例があります。
青春18きっぷで新幹線に乗れるらしい！
実は特急列車に乗れる区間がもう一区間ありました。
それが津軽海峡線の「木古内～蟹田」の区間。残念ながら平成28年3月21日までの取扱いになります。
そう、北海道新幹線が開通してしまうので廃止になるんですね。
そこで新しく発券されるのが『青春18きっぷ北海道新幹線オプション券』なんです。オプション券は片道2300円。
北海道新幹線の普通席「奥津軽いまべつ～木古内」と、道南いさりび鉄道線の「木古内～五稜郭」を乗車できます。オプション券とはいえ青春18きっぷが新幹線に適用されるのはこれが初めてです。
青春１８きっぷよりも安い、最強のフリーパス券がある！
みなさんは『北海道＆東日本パス』のことをご存知でしょうか？
これは、ＪＲ東日本を走る普通列車が10290 円（大人）で、7 日間乗り降り自由という夢のような切符です。
１日当たり1470円という値段設定なので、青春18 きっぷよりも断然安いです。青春18きっぷと同じく、例年、春・夏・冬の３回発売されます。子ども料金があり、別料金を払えば急行列車の利用も可能です。
春：【発売】2月20日～4月16日 【利用期間】3月26日～4月22日
夏：【発売】6月20日～9月24日 【利用期間】7月1日～9月30日
冬：【発売】12月1日～1月4日 【利用期間】12月10日～1月10日
こちらも「新青森～新函館北斗間」相互発着の場合に限り、特定特急券を別途購入すれば、北海道新幹線の普通車席を利用することができます!
しかし、この最強のフリーパスにも弱点はあります。それは一度使い始めたら７日間で無効になってしまうこと。また、複数人数で利用するならば圧倒的に青春18きっぷがお得です。
つまり、
『複数人数でまとめて使いたい』
『次回利用まで期間が空く』
『東日本以外』
だったら→青春18きっぷ
『連続した日数、旅行する』
『子供と一緒に旅行する』
だったら→北海道＆東日本パス
と、いったところでしょうか？
という訳でJRのお得な切符を上手に使って、この春開通になる北海道新幹線に乗ってみませんか？大人の1人旅もよし、グループでわいわい楽しむも良し！
ぜひ列車の良い旅を！
＜ 取材・文 / 山﨑恵輔 ＞
