なぜここまで本格派なのか?世界一のバリスタ・粕谷哲が明かすファミマ「プレミアムモカ」開発の裏側

2026/10/16
マガジンサミット編集部

アジア最大級のスペシャルティコーヒーイベント「SCAJ2026」にて、ファミリーマートがブースを出展。10月15日(木)には、メディア向けトークセッションを開催した。会場には報道関係者のみならず多くの一般来場者も詰めかけ、大きな注目を集めていた。トークセッションでは、「World Brewers Cup 2016」でアジア人初の世界王者となったバリスタ・粕谷哲氏が登壇し、共同開発した「プレミアムモカ」を紹介。ブースで提供されるプレミアムモカを多くの参加者が試飲し、その味わいを楽しんでいた。

トークセッションには粕谷氏のほか、ファミリーマートのカフェ・スチーマーグループ 松田香織氏が登壇し、まずは2026年6月に全店導入を完了した新型コーヒーマシンと売上動向が説明された。

同マシンはコンビニ業界初となる挽き方調整グラインダーを搭載し、メニューに応じた9段階の挽き分けを実現したほか、お湯を上から均一に注ぐ構造へと進化している。こうしたマシンの刷新と高品質な商品展開により、2026年度の「FAMIMA CAFÉ」売上は2024年比で120%の伸長を見込む。7月に発売された「プレミアムモカ」も累計150万杯を突破し、好調を大きく牽引しているという。

2026年7月に発売開始しているプレミアムモカは、エチオピア・イルガチェフェ産の収穫量1%未満とされる希少な最高等級豆を100%使用した一杯。通常の「モカブレンド」が同等級豆を60%使用し他産地とブレンドしているのに対し、単一品種ならではの個性を引き出している。

豆量は通常の約1.3倍、蒸らし時間も1.1倍に設定し、高温短時間焙煎で香りを高めた。粕谷氏は「個性と飲みやすさの両立」を追求したとし、モカ特有の甘みを活かしつつ焙煎をわずかに深めることで、毎日飲んでも飽きないバランスを目指したと解説した。

実際に会場でプレミアムモカを試飲してみた。カップを近づけると華やかで甘い香りが心地よく感じられる。口に含むと重たいコーヒー感は強すぎず、酸味も穏やかで苦味の主張も控えめなため、非常にすっきりとしていて飲みやすい。雑味や引っかかりがなく、日常的に親しみやすい仕上がりと感じられた。

トークセッションでは店頭商品とのペアリングも提案された。油分と火入れの相性が良くあんこの甘みが重なる「もちっとつぶあんドーナツ」、焼き菓子からはフルーツ感が調和する「たっぷり4種のフルーツケーキ」、おむすびからはエチオピア豆の酸味と梅の酸味がマッチする「手巻 紀州南高梅」が挙げられ、コンビニならではの幅広い組み合わせが紹介された。

後半では、気候変動により栽培適地が半減するとされる「2050年問題」への取り組みにも触れられた。ファミリーマートではエチオピア現地での苗木6万本の寄付や乾燥用「アフリカンベッド」21台の寄付、生活環境改善を継続して実施。さらにコンビニ業界初となるカッピングコンテストを開催し、生産者への評価フィードバックを通じて持続可能な関係を築いているという。品質の追求と産地支援の両面から、持続可能なコーヒー産業の未来を見据える姿勢が示された。

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