日本のエンタメを牽引するひとりと紹介して、決して過言ではない方でございます。そう、川村元気さまでございます。
映画『告白』や『モテキ』、そして社会現象を引き起こした『君の名は。』など、数々の大ヒット作のプロデューサーを務め、さらに、小説家としては、『世界から猫が消えたなら』、『億男』、『四月になれば彼女は』、『百花』を執筆。こちらも映画化されるなどヒットを飛ばしております。
映画の企画・プロデュース、小説執筆、映画脚本など次々に大ヒットを記録、失敗しない男が、次に仕掛けたのが、絵本の翻訳でございます。
この絵本がただの絵本ではないのでございます。まず、その絵本の肩書がゴイスーなのでございます。
原題は、『THE BOY, THE MOLE, THE FOX AND THE HORSE』。
2019年の秋に発売されると、あっという間に話題になり、本国のイギリスでは130万部を突破。翌年の2020年には、イギリスでもっとも売れた本となっております。ちなみに、その年に発売された本以外で年間1位になるのは史上初だったとのこと。英サンデータイムズベストセラー1位、英アマゾン総合1位を記録しております。
さらに、アメリカでもニューヨークタイムスベストセラーで1位を記録、120万部を売り上げ大ヒット中とのこと。
イギリス、アメリカで社会現象にまでなっている異例の大ベストセラーなのでございます。
それが、こちら。「ぼく モグラ キツネ 馬」
実は、こちらイラストレーターであるチャーリー・マッケジーさんが自身のInstagramで公開していた絵や文章をまとめたものでございます。
いわゆるストーリー絵本でもなければ、有名絵本作家が描いた絵本でもございません。登場人物も主人公の少年とモグラとキツネと馬だけ。ストーリーも特にございません。しかし、その最大限に凝縮されたシンプルなペン画(イラスト)と、名言(テキスト)がゴイスーに心に突き刺さるのでございます。
読んでいただけると一目瞭然でございますが、コロナ禍にいる世界中の人たち、子供から老人までを励ましているような文章が所狭しと綴られております。
しかし、この本が出たのはコロナ前でございます。その辺りも、何か運命みたいなものを感じてしまうのでございます。
まさに、イラストのひとつひとつ、数々の名言がSNSでシェアされ続け、コロナ禍に人々の希望をつなげて、世界中に社会現象を巻き起こした「奇跡の一冊」でございます。
是非、画像検索してくださいませ。たくさんご視読頂けるはずでございます。
余談ですが、先日、人気テレビ番組「世界一受けたい授業」で、精神科医がベストセラーから選んだストレスを減らす「心の処方箋」として、こちらの絵本が紹介されていたそうでございます。
救急箱のように一家に一冊、備えておきたい一冊でございます。
心が疲れた時、傷ついた時に、読んで癒されて頂きたい一冊でございます。
(文:絵本トレンドライター N田N昌)