2040年までにWOOD LIFEを実現! 木と生活と都市のデザイン展 「TOKYO WOOD LIFE 2040 山と木と東京」開催レポート

2026/06/01
マガジンサミット編集部

今年3回目を迎えた企画展「TOKYO WOOD LIFE 2040 山と木と東京」。人工林の循環が保たれず荒廃が進んでいる日本の山林と都市の関係に注目し、建築やデザイン、人とコミュニティの力で、楽しみながら2040年までに東京の生活を「WOOD LIFE」に変えてゆきたい――。そんな思いを丸の内から発信するデザイン展が、5月いっぱい、GOOD DESIGN Marunouchi(丸の内・新国際ビル1F)など4会場で開催されました。

2026年5月1日から31日まで、建築とデザインの企画展、映画祭、マルシェ、フォーラム、エクスカーション、スタンプラリーなどさまざまなイベントを実施した「TOKYO WOOD LIFE 2040 山と木と東京」。三菱地所株式会社の特別協賛、公益財団法人日本デザイン振興会主催の企画展は、今年3回目を迎えました。建築やものづくり、まちづくりやコミュニティデザインなど多岐にわたる領域から、都市の生活を2040年までに「WOOD LIFE」に変える方策と最新の実践を発信しました。

第1会場のGOOD DESIGN Marunouchiで開催された「都市木造スタジオ2026 - 木を魅せるデザイン」では、都市部の中高層木造建築「都市木造」をはじめとする最新の木造・木質空間プロジェクトを展示。「木で空間を魅力的に見せるための技術やデザイン」をテーマとし、鹿島建設や清水建設、竹中工務店など日本を代表する設計会社、建設会社が、首都圏を中心とした14プロジェクトをプレゼンテーションしました。

第2会場の新東京ビルでは「東京ウッドラボ- 山の木活かす都市木造・街の木活かす都市林業」と題した展示会が開催に。ほかにも、2日間限定で、全国各地の森や木から生まれたプロダクトやアート、アクセサリーなどを作り手と交流しながら購入できる木のマルシェ「有楽町モクイチ」や、全国の山や木と関わる仕事や暮らしを題材にした映画を11本上映する「山と木の映画祭」も開催となりました。

(出展例 左:オフィスもこん/中:Shimpei ARIMA/右:KENZI MURABAYASHI)

5月8日限定のフォーラムでは、「建築と山で都市を豊かにする方法」をテーマに、林業家、木材加工会社、建築家・設計会社などが登壇。「技術とデザインを駆使していかに魅力的な建築空間を作るか」「多種多様な木を活用するためのマーケティングとマネジメント」などについて、登壇者たちによるパネルディスカッションが行われました。

全コンテンツを通じ“WOOD LIFE”を多様な切り口から考える機会となった本デザイン展。特別共済を務める三菱地所グループでは、2016年頃より業界に先駆けて中高層建築の木造・木質化をスタートするなど、木造・木質化事業に注力してきました。26年時点で、日本の中高層建築物に関しては“非木造”が大多数を占めており、木造建築はまだまだ珍しい存在です。しかし、CO2吸収率の低下した伐採適齢期の木が増える中、都市部において積極的に木材を活用し森林の資源循環を促すことは、カーボンニュートラルの実現に向けた、一つの重要な取り組みになっていくでしょう。

25年には、木造活用を後押しする建築基準法改訂が相次ぎました。一つは、すべての新築建築物に省エネ基準適合が義務化されたこと。もう一つが、防耐火規制が合理化され、木をそのまま見せる「あらわし」設計が実現可能になったことです。さらに26年には、新築の ZEB(建築の工夫で、省エネ・創エネにより年間エネルギー消費量実施ゼロを目指した建物)支援の対象建材に「木材」が指定に。ここから社会全体の価値観変容が生まれ、木造建築は“珍しい”ものから、“当たり前”の存在になっていくのかもしれません。

2040年までに東京の生活を「WOOD LIFE」に変えていくために――。木材活用を考える本イベントに、来年以降も注目していきたいですね。

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