
いよいよ今年も“酷暑”がやってきます。早くも暑い日が出てきていますが、7~8月はさらに暑さが厳しくなりそうです。そんな中、備えておきたいのが、新機軸の熱中症対策に使える食品たち。
今回は、「アイススラリー」や「経口補水液」「塩飴」という新参者の食品に迫ります。これらの食品の摂取方法について、脱水症に詳しい医師の見解をご紹介。さらに、市販の食品からライターが見つけたおすすめの商品もご紹介します。一部メーカーからのコメントもいただきましたよ!
■アイススラリーや経口補水液、塩飴って熱中症対策にどうなの?医師が解説!
熱中症対策に詳しい済生会横浜市東部病院の医師、谷口英喜先生によれば、軽度の熱中症は「脱水症」なのだといいます。そのため、治療ではいかに水分と塩分などの電解質を効率的に摂取するかが肝になるのです。
そんな中、アイススラリーについて、谷口先生は熱中症対策の飲料として有効だと解説します。
【取材協力】

谷口英喜先生
済生会横浜市東部病院 患者支援センター長/栄養部担当部長 医師
麻酔・集中治療、経口補水療法、体液管理、臨床栄養、周術期体液・栄養管理のエキスパート。日本麻酔学会指導医、日本集中治療医学会専門医、日本救急医学会専門医、1991年、福島県立医科大学医学部卒業。学位論文は「経口補水療法を応用した術前体液管理に関する研究」。2024年5月に『熱中症からいのちを守る』(評言社)が刊行。その他の著書『いのちを守る水分補給~熱中症・脱水症はこうして防ぐ』(評言社)など。2025年6月20日には『「現代バテ」即効回復マニュアル』発売(評言社)。2023年から、医療従事者の生涯教育サイト『谷口ゼミ』を開塾。2026年4月21日には、新刊「いのちを守る飲水学―からだがよろこぶ水分補給のトリセツー」(評言社)を発売。
●アイススラリーとは?摂取方法を解説
「アイススラリーとは、液体と微細な氷が混ざったシャーベット状の飲料です。見た目はかき氷に近いものの、氷の粒子が非常に細かく溶けにくいため、氷の粒子が残ったままでも流動性があり飲みやすいのが特徴です。
この特性により、体内で氷が溶ける際に効率的に熱を奪い、単なる冷水よりも深部体温(体の中心の温度)を効果的に下げることができます」
アイススラリーは、これまでスポーツ医学や暑熱環境下での労働安全の分野で開発・応用が進んできましたが、近年は医療にも利用されているといいます。熱中症対策の食品として市販されるようになり、随分と身近になってきました。
「アイススラリーは、熱中症予防策の一つとして日常生活に容易に取り入れることができます。前日の晩に冷凍庫に入れておき、出勤時に持って出れば、15分程度で飲み頃のシャーベット状になります。時間がなくて朝食を摂れないときでも、水分と栄養補給にもなり、かつ体温を冷やすこともできます」
ただし、熱中症対策のためには、あくまで朝食をきちんと摂るのがおすすめとのこと。うまく取り入れてみてくださいね。
●経口補水液とは?摂取方法を解説
続いては経口補水液について。ドラッグストアなどでよく見かけますが、熱中症対策に使えるのでしょうか?
「経口補水液とは、『水+電解質+ブドウ糖』で構成される飲料です。体液より低い浸透圧になるように設計されている低浸透圧飲料で、水分と電解質を効率よく吸収できます。経口補水液は、お茶や水のように日常的に頻繁に飲むものではありませんが、めまいや立ちくらみ、大量発汗、こむら返りなど熱中症の重症度の中でもI度の軽症のときに飲むのに適しています。
近年、塩分の摂りすぎを気にして、脱水症の症状が出ているのに経口補水液を飲み控えている人がいることが問題になっています。少しでも夏場にだるさやふらつきの症状が出る場合は脱水の可能性があるので、そんな時にすぐに経口補水液が飲めるように、常に自宅に常備しましょう」
その他、激しいスポーツの後や食欲不振、下痢や嘔吐、発熱などの際に適しているそうです。
●塩飴の摂取方法を解説
近年は、塩飴商品も増え、市販のコンビニやスーパーでよく見かけるようになりましたね。熱中症対策といえば、塩飴を舐めると良さそうに思えますが、どうなのでしょうか?
「塩飴は、電解質や糖分を補うのに有効ですが、塩分のみを舐めて水分を摂取しないと、水分の実質的な補給につながらないため危険です。塩飴だけでなく、必ず塩飴一つにつきコップ1杯の水分を合わせて摂るようにしてください」
塩飴にだけに頼りきらず、しっかりと水分摂取を意識して熱中症予防に努めましょう。
■暑さに対抗する食品3選
ここで、ライターが見つけた3つの商品をピックアップ! それぞれの食品の特徴をご紹介します。
1.大正製薬「リポビタンアイススラリー Sports」

「ファイト一発!」でおなじみのリポビタンブランドのアイススラリーです。
「Sports」と名付けられているように、夏のスポーツ時のお供になりそう。水分中に分散した微細な氷を体内に取り入れることで、運動による過度な深部体温の上昇を抑制します。
塩分・クエン酸・ビタミンB1・B2・B6を配合しているので、栄養補給も可能です。
冷凍庫で4時間以上凍らせた後、常温で15~20分置いたら、やわらかくなるまでしっかりともみほぐして飲みましょう。
味はハニーレモン風味、りんご風味、ソルティライチ風味の3種類で爽やかに飲めますよ。
●素朴な疑問Q&A
大正製薬に、素朴な疑問を聞いてみました。
ブランドマネジメント部の樋口裕貴さんが教えてくれました。
――シャーベットとの違いを教えてください。
樋口さん:シャーベットは果汁やシロップなどを凍らせたもので、一般的にはスプーンですくって食べます。一方、アイススラリーは、細かな氷の粒が液体に分散した飲料です。流動性が高く飲みやすいうえ、電解質を含むものが多く、熱中症対策にも適しています。
――冷凍庫がない環境ではどのように取り扱えばいいですか?
樋口さん:基本的に冷凍させて飲むものなので、冷凍してのお召し上がりを推奨しております。ご家庭などであらかじめ冷凍できる場合は、4時間以上凍らせたうえで、クーラーボックスなどの保冷容器に入れてお持ち運びください。持ち運び可能な時間は、容器の性能や気温などの条件によって異なります。目安として、気温40℃の場合、容量約14Lのクーラーボックスに製品のみを5本入れると約1時間、20本入れると約3時間保管できます。
――一度、溶けかかったものを再凍結しても良いですか?
樋口さん:未開封品であれば、再凍結しても問題ありません。その際は、一度完全に溶かしてから再度凍結してください。細かな氷の粒が再び形成されます。
アイススラリーの取り扱い方、とても参考になりますね。ぜひ試してみましょう。
2.大塚製薬工場「経口補水液 OS-1」

経口補水液といえば、OS-1(オーエスワン)。
公式サイトによれば、日常生活における水・電解質補給であればスポーツドリンクでも十分ではあるものの、軽度から中等度の脱水症にはオーエスワンが適しているそうです。
先の谷口先生の解説をもとに、軽度の熱中症が疑われたときに摂取しましょう。
3.ブルボン「ミネラル塩飴」

塩飴は手軽にミネラル補給ができるブルボンの商品です。「熱中症予防声かけプロジェクト」に賛同しているので、熱中症予防に適しています。
ナトリウム、亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、マグネシウムの、6種類のミネラルを配合。また一粒にはクエン酸を100mg配合しています。
味は爽やかなグレープフルーツ味で美味しく舐められそうです。
今年の夏は、これらの食品をうまく取り入れながら、猛暑を乗り切りましょう!






