コロナ禍になり3年目の夏を迎えた日本。感染対策が徐々に緩和され経済活動が再開されるなか、引き続き若者や子どもの感染について注力が必要とされています。夏休みをむかえ野外活動も活発になるなか、子どもたちの熱中症リスクも踏まえなければいけません。
そのようななか「免疫ケア」が感染予防と健やかな体づくりの鍵になると、児童らが分かりやすく免役を学べる教材「免疫ケアで健康な毎日を!」を活用した特別公開授業が足立区長門小学校で開催されました。
この教材は、キリンホールディングス株式会社と“先生から、教育を変えていく”をビジョンに掲げる「株式会社ARROWS」が共同で開発したプログラムであり、夏休みを前に、免疫ケアの大切さとその方法を児童および保護者と一緒に学び伝えることで、健康的な生活を考えるきっかけにしたいという試みです。
健康管理を分かりやすく知るプログラム
授業では、受験や習い事などで忙しく不規則な生活になりがちな6年生の児童らが、ゲームやアニメーション動画などを通して免疫についての理解を深めました。
例えば、日ごろから“健康のためにしていること”を題材にしたビンゴゲームでは、「うがいをする」「マスクをする」など健康のために行っていることをビンゴシートに書きだし、その内容が「栄養のある食事」や「適度な運動」「充分な睡眠」といった先生が挙げるワードと一致すればビンゴ!です。
児童からは「良く寝るってどのくらい?」「犬の散歩は運動に入る?」といった質問が投げかけられ、ちょっとした言葉のニュアンスの違いなどをきっかけに話し合うことで、しぜんと健康に良い生活習慣とは何かを深く掘り下げられるような仕組みになっています。また、「ストレスをためない」といったワードも挙がり、児童らは「しゃべる」「寝る」「ゴロゴロする」「独りになる」などの自身のストレス解消法を披露していました。
健康についてデイスカッションをした後は「免疫とは何か?」を分かりやすく説明したアニメーションを鑑賞。外敵から体を守る免疫システムの説明からはじまり、免役が落ちる原因やその対策方法を学びます。
免疫を高めるためる方法として「規則正しい生活」「適度な運動」「3食の栄養バランスが良い食事」「休養(じゅうぶんな睡眠/9~11時間くらい)」「できれば毎日お風呂にはいる」「たくさん笑う」「免疫を高めるために乳酸菌をとる」などの取り組みが伝えられた他、「なぜ今、免役について授業を受けるのか?」という質問に、「6年生になると夜更かしなどをしやすくなり、生活のリズムが崩れやすくなるから」「夏休み前だから」「新型コロナが流行していて、次の流行に備えるため」「成長期だから」…とさまざまな回答が聞かれました。
授業後にインタビューすると児童らは「アニメで免疫のことが分かって楽しかったです」「知らないことが多かったけれど、今日学べてよかった」「夏休み中にしっかりと実践したい」「あまり睡眠がとれていないので、2学期からは早く寝ることを意識したい」「たくさん笑うことが⼀番すぐにできそうだと思った」などといった感想が聞かれ、楽しく免疫や「免疫ケア」について学べた様子が窺えました。
コロナ対策と熱中症対策の徹底を
担当した教師は、「夏季講習などで忙しくなる6年生にとって、今、授業ができて良かったと思っている」とコメント。また、普段から学校で心掛けている「免疫ケア」について「学校では楽しく生活できるよう、手洗いなどの他に“笑い”を心がけている。感染対策としては、体調が悪いと感じたら無理をしないなどの健康管理をしっかりとし、生徒同士、互いに声がけをする」など意識しているそうです。
政府の分科会の報告によると、子どもが学校などで集団生活するなかで、新型コロナウイルスに感染し家庭に持ち込まれることで感染が拡大するケースもあり、感染の主体が子どもに移ってきていることに加え、子どもに関係する場所での集団感染も増加傾向にあるといいます。
依然として感染対策としてマスク着用が重要であるものの、一方で、マスク着用によって喉の渇きを感じにくくなるなど熱中症のリスクも上昇します。熱中症に詳しい兵庫医科大学の服部教授は「例年より熱中症対策が必要」と話しており、屋外ではマスクを外し、喉が渇きを感じなくても1時間に1回を目安にこまめな水分補給をしてほしいと訴えています。
このようななか「免疫ケア」について児童らが学ぶことで健康管理への関心を高め、自ら積極的に行動を促すためには、教育現場・生徒・保護者に留まらず、外部パートナーとの連携を図ることで、より一層、健康管理に知識理解促進が大切です。今回の授業で使われた教材「免役ケアで健康な毎日を!」は、全国の小学生1万人の授業実施を目指し、希望する小学校に無料で提供していくそうです。