医療の間隙を埋める、マングローブのように。テクノロジーと歩む次世代の診療体制へ。

2026/03/18
マガジンサミット編集部

​​世田谷区・用賀の地に根差し、内科・消化器内科・肝臓内科をはじめ、内視鏡や人間ドック、アンチエイジングまで、幅広いニーズに応える「用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニック」。同院は、​​業界初となる自律走行型ロボット「ATOI」を導入し、人手不足やアナログ業務の停滞といった医療現場の根深い課題を解決し、患者様へより質の高い治療を提供する。テクノロジーを味方につけ、医療の普遍性を追求する院長・菊池真大氏​​に、その熱き想いを伺った。​

​​深刻化する現場の課題を打破し、患者様と向き合う時間を創出する​

​​私は、慶應義塾大学病院や米国ペンシルベニア大学への留学、東海大学や東京医療センターなど、高度な専門医療の現場でキャリアを積んできました。その中で強く感じたのは、先進的な医療技術が進歩する一方で、現場を支える仕組みは驚くほどアナログであり、医療従事者が​​本当に集中すべき仕事に、十分な時間と心の余裕を割けていない状況が続いていました。​

​​特に、高度な専門性を担う大学病院と、効率を優先しがちな健診センターの二極化が進む中で、その狭間にある症例を丁寧にフォローし、適切な医療へ橋渡しをするクリニックの存在は不可欠です。しかし現在、日本のクリニックは、深刻な人手不足や膨大な事務作業に直面しています。現場が疲弊し、スタッフの心身の余裕が奪われてしまえば、本来届けるべきホスピタリティは損なわれてしまいます。​

​​開業を意識した頃、母校である慶應義塾大学の卒業25周年記念の式で伊藤公平塾長のスピーチを拝聴する機会がありました。塾長はマングローブの環境問題にふれられ、「マングローブが生育する“緩衝地帯”こそが、環境問題や国際的な対立においての重要な場所である」と話されました。

自分たちの専門領域に留まらず、人の手が伸ばしにくい場所にこそ、重要な役割がある。医療でも同じことがいえ、マングローブのように境界にしっかり根を張り緩衝地帯を支える存在になりたいと考え、クリニックを起業しました。​

​​クリニックを運営すると、業務が多岐にわたるにつれて医師、看護師、事務、それぞれの業務の間には、どうしても手が届きにくい“緩衝地帯”が存在していました。ここにクリニックでは日本初の自律走行型ロボット「ATOI」を導入しようと決意しました。導入当初はスタッフも戸惑いましたが、テクノロジーの力が生み出した“心の伸びしろ”が、患者様への思いやりや寄り添う医療へとつながっていく。そう確信し、今もロボットと共に歩んでいます。​

​​自律走行型ロボット「ATOI」が拓く、医療の普遍性と「人間らしさ」​

​​当院の大きな特徴の一つが、日本のクリニックで初となる自律走行型ロボット「ATOI」の導入です。現在は初診の問診補助や院内案内、次回予約の対応に加え、大腸カメラ前の下剤説明や同意書の取得、発熱している患者様の誘導などをロボットが担っています。

これは単なる業務の効率化が目的ではありません。医療従事者は、時に体調や心理状態によって診療に「ムラ」が生じることがあります。しかし、ロボットは常にニュートラルな存在として、均一で質の高い対応を提供し続けることができます。​

定型的な説明やルーチンワークをロボットが担うことで、私たちは採血や内視鏡検査といった手技、そして深い対話が必要な「人間らしい仕事」に、全てのエネルギーを注ぐことができます。​

​​私たちが最も大切にしているのは、利便性の追求ではなく、人間らしい医療を取り戻すためのテクノロジーの活用です。ロボットを代替者ではなく、スタッフの一員として迎えることで、医師が患者様の目を見て話す時間や、看護師が手で触れ寄り添う時間を生み出し、ホスピタリティと医療の質を高い次元で両立させたいと考えています。 ​

​​テクノロジーとの融合が、用賀から医療に新たな旋風を、バタフライエフェクトのように。​

​​私が描く未来のクリニック像は、ロボットと人間が互いの強みを補い合い、医療の質を高め続ける姿です。将来的には、AIの進化によってロボットにクリニックの理念や、診療哲学を学習させることも可能になるでしょう。そうなれば、たとえ私がその場にいなくとも、私の想いが宿った「診療の普遍性」が継承され続けます。マングローブのように緩衝地帯をロボットが担える医療が誕生した時、“人間らしい医療の普遍性”を未来へ継承できると信じています。​

​​私が目指すのは、未来を見据えた新しい健康管理の形です。その中核を担うのが、最新のロボットとデータを活用した未病へのアプローチです。そのために、院内では「ATOI」が円滑なクリニック内の受診環境を整え、肝脂肪量測定器「FibroScan」や高精度体組成計「InBody」、迅速生化学測定器「ドライケム」などが病気の予兆を可視化します。

ロボットがルーチン業務を正確に遂行し、データが客観的な事実を示す。この両輪により、私たちは患者様が未病の段階で自らの健康を見つめ、医療者は見える化したデータを共有しながら、その人らしい選択と行動を支える医療を実践することが可能になります。​

​​当クリニックで実践する未来志向の取り組みは、今は小さな挑戦ですが、やがて未来の医療を動かす巨大な力になると信じています。これからも、この用賀の地から、テクノロジーと人の想いが響き合う新しい医療のかたちを、力強く発信していきます。​

​​■監修者
用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニック(​https://www.youga-naika.com/​)​

​​院長・医学博士 菊池 真大​

​​■略歴​

​​慶應義塾大学医学部卒業、同大学関連病院で研修後、消化器内科に帰室。​

​​米国ペンシルベニア大学に消化器内科博士研究員として留学。​

​​帰国後、東海大学医学部付属東京病院講師、客員准教授(現職)、​​​国立病院機構東京医療センター副医長・診療科長、​​​旗の台病院 副院長・内科診療部長を経て、​​​2024年10月用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニック院長として現在に至る。​

この記事が気に入ったらいいね!しよう

マガジンサミット編集部
この記事を書いた人

マガジンサミット編集部

編集部のTwitterアカウントはこちら 【マガサミ編集部Twitter】 編集部のYoutubeアカウントはこちら 【マガサミYoutube】

マガジンサミット編集部が書いた記事

あなたへのおすすめ

カテゴリー記事一覧

pagetop