これまで男性のみが活躍を続けていたという現場が、今では女性が台頭していく雰囲気が珍しくもない時代になってきました。考えてみれば男女が平等に活躍するのは、ある意味当たり前。例えばNHKの『朝の連続テレビ小説』ではいつも主人公が女性で、成長するに従って輝いていく女性を描いているのは、そういった風潮を示しているのも知れませんね。
そして今日ご紹介するのは、「海洋環境保全」という大きなテーマに向き合う女性たちであります。影響力のある女性リーダーが集い、海洋環境保護について考える海洋環境保全団体「Leading Women for the Ocean(リーディング・ウィメン・ フォー・ジ・オーシャン)」が発足、その創立発表のため一回目となる「Leading Women for the Ocean 創立フォーラム」が6日に神奈川県・横浜市にて行われました。
Leading Women for the Oceanは、安倍昭恵内閣総理大臣夫人とThe Nature Conservancyのマリア・ダマナキ国際海洋担当理事 元欧州委員 海事・漁業担当大臣が発起人となり発足した団体であります。
ダマナキさんはこの会の発足にあたり二つの疑問を提起。なぜ海洋なのか?そしてなぜ女性がその問題に向き合うのか?まず海については、まさしく「これがなければ、人間は息をすることもできない」という重要なもの。これは今重要、というよりは常に重要なものと考えることができるでしょう。海洋資源の破壊、減少などが続く今日ではなおさらともいえます。
なぜ女性かという点については「男性でうまくいかなかったから、じゃあ今度は女性でと…」なんてキツいジョークも飛びながら(笑)、女性は感性が豊かで、パートナーシップを結んで活動を進めていく点に優れていることを上げつつ、この活動が「女性はこういったことができる」というアピールになることもあげられていました。この点は安倍さんも「女性は感じる力が強いのではと思う」と同意見であることを示されておりました。
またこの日は、本団体メンバーの女性リーダーたちが登壇し、次世代に健全な海洋環境を確保するための施策についてトークセッションを行いました。一つ目のセッションでは「漁業」をテーマにトークを展開。水産資源の保護とそれに対する課題などがあげられました。二つ目は「プラスティック」をテーマとしたもの。海でプラスティックといえば問題になるのがゴミ。特に2000年以降急速に増え続けているゴミの問題に合わせて、リサイクルという対応の有用性など、興味深い内容のトークがおこなわれました。
セッションではインドネシアの前海洋水産大臣、水族館の最高責任者など、「海洋環境保全の現場」に立つ女性のリーダーが登場し、活発なトークを展開。一方では雑誌の編集に携わるという方も登壇され実行推進という面で問題や課題を多くの人に知ってもらうことも重要であり、それをどうおこなっていくかという考えなども議論されました。
一方でこの日は海洋問題に関心を寄せている学生も登場。ブレザー姿の二人はまだ高校生ですが、堂々のトークを披露。若い世代の代表として海洋問題に対する熱い思いをこの場で語りました。
そしてイベント最後にはクローズセッションも行われ、ダマナキさんは今回について様々な課題、問題が提起されたことに対して「結果が必要。次回は結果を持参して話をしたい」と更なるアクティブな意向を見せられました。一方の安倍さんは、今後への課題として、まだこういった問題に対して関心がない人たちを、どう巻き込んでいくかという点について触れられました。
さすがファーストレディーの集まりだけに、先進的な意見が飛び交ったこのセッション。何か男性の方も負けてらんないなーという気になりますね。ただこういった問題に対して個人一人ひとり何ができるかという点も悩ましいところでありますが、これについてはまずできるところから、というほかにありません。みなさんも少しずつで構いません、こういった問題について、少しずつでも是非興味を広げられてみてはいかがでしょうか。