昨年、絵本としては異例の大ヒットとなったのが、「おやすみ、ロジャー」。10分で寝る絵本、いわゆる睡眠絵本でございます。先日、第二弾の「おやすみ、エレン」も出版されました。
そんななか、新たなブーム、話題になりそうなのが、…なんと!!「絵がない絵本」でございます。その名も「えがない えほん」。
絵本なのに本当に絵がないのでございます。さらに、この絵本を読んでもらった子どもは絶対に笑うんだとか…「絶対眠れる」の次は「絶対笑える」でございます。
「えがない えほん」(著:B・J・ノヴァク 訳:大友 剛)
こちらの絵本、アメリカで「子どもが絶対に笑う絵本!」として大ヒットしております。70万部超でございます。133週連続NYタイムズ・ベストセラー入りでございます。
アメリカでは「画期的な読み聞かせ絵本」「読み聞かせのバイブル」として話題なのでございます。「文字だけの本」と「子ども」という一見難しそうな組み合わせですが、超画期的で超ユニークなアイデア(遊び心)により、アメリカ全土で子供たちを笑いの渦に巻き込んでいるのでございます。
「いったいなぜ?」「どういう方法で?」…もう少しもったいぶらせて頂きます。この絵本の成功の秘密は、あるひとつのルールにあると言われております。そのルールというのがこちら。
『朗読者はこの本に書かれている言葉を必ず口にしなければならないということ。朗読者は、「ぶりぶりぶ~!」など、それがどんなにお馬鹿な言葉であっても次々に読んでいかなければならない』というルールでございます。
普段、子どもに読み聞かせをされている方なら、この絵本の正体が少し分かってきたかもしれません。
そもそも、絵がないなら、それは絵本ではないのではないか?…当然のご指摘でございます。でも、絵本なのでございます。絵本にかかわるお仕事をされている方なら、「これは絵本です」と断言できるはずでございます。そうでない方も、こちらの動画をご覧になればご納得頂けると存じます。百聞は一見にしかずでございます。
この動画は、この絵本の翻訳者でミュージシャン&マジシャンの大友剛様が例の絵本を子ども達に読み聞かせしている映像でございます。子ども達のリアクションをみて頂ければ、「絵本」であることが一目瞭然でございます。今後、テッパンの読み聞かせ絵本になること間違いなしでございます。
余談ですが、大友剛様は、シリーズ10万部超の「ねこのピート」の翻訳も手掛けていらっしゃいます。
最後に、なぜ、子どもたちに言葉だけのこの絵本がウケるのか?
子どもたちは、いつも「ちゃんとしなさい!」などと偉そうなことを言ってる大人が、意味不明だったり馬鹿げた言葉を発しているのが楽しい、面白いのでございます。ちなみに、著者のノヴァク様が子ども達に語りかけるユーチュブの動画もございまして、こちらは280万ビューでございます。
日本版(翻訳本)の出版は11月21日でございます。是非、ご自身の目で「絵がない絵本」の正体をご確認くださいませ。
(文:N田N昌)