「えがないえほん」の次は音が聞こえてくる!?文字のない大人絵本!

2018/02/10
N田 N昌

今、一番話題の絵本といえば、絵本なのに絵が一切ない文字だけの絵本、その名も「えがないえほん」でございます。

アメリカで大ヒット、去年11月に日本上陸。児童書の売り上げランキングでは連続首位を獲得、日本でも大ヒット中でございます。書店で見かけた方も多いのでは…。

ただし、絵本のウリは「子どもが絶対笑う」。そう100%子供向けの絵本でございます。そこで大人絵本マニアの小生といたしましては、「大人がハマる!文字のない絵本」、こちらを今回ご紹介させて頂きマングース!でございます。

ただの文字のない絵本ではございません。本を読んでいると、絵を見ていると、音が聞こえてくるのでございます。これは是非、一度体験して頂きたいのでございます。もうすぐ、バレンタインデーもございますが、大人が大人にプレゼントするのに最適な絵本でございます。

「よるのおと」(作:たむら しげる)

この絵本は、ある夜のたった数十秒の間の出来事を表現した絵本でございます。ひとりの男の子がおじいちゃんの家を訪問するのですが、その際に家の前にある池の脇を通り家に辿り着くまでの物語でございます。

その間にカエル、鹿、遠くを走る列車などが登場、描かれておりますが、その場面でしているであろう音が読者に聞こえてくるのでございます。その感覚を是非一度、体験して頂きたいのでございます。なぜ聞こえてくるのか…、とにかく、絵と場面構成が秀逸なのでございます。

そもそも、作者のたむら様は、絵本だけでなく、映像作家、イラストレーター、漫画家としても活動されております。映像作品の、「ファンタスマゴリア」「クジラの跳躍」「銀河の魚」でも国内外で賞をとられ、高い評価を受けております。絵は、個展を開くと絵を買うために朝から行列ができる、そんな行列のできる絵本作家様でございます。

「きこえる?」(作:はいじま のぶひこ)

こちらも、音が聞こえてくる絵本でございます。正確には少しだけ文字はあります。ただ、音が聞こえてくるページには一切文字はありません。そこにあるのは絵のみでございます。その絵を見ていると、その音が聞こえてくるのでございます。

こちらの絵本は、2013年、第24回ブラティスラヴァ世界絵本原画展(絵本のビエンナーレ)で「金のりんご賞」を受賞されております。作者のはいじま様は、型紙(ステンシル)を用いた作風で動物や植物などモチーフにされている現代美術家で、はじめて描かれた絵本がこちらでございます。

普段、雑踏、雑音の鳴り響く中で生活している方にはハマること、間違いナッシングな絵本でございます。雑踏から遠く離れた星がたくさん見えるリゾート地の静かな夜を体験できる絵本でございます。なかなか休暇をとれない方、こちらの絵本で一瞬でもそんな気分を味わってくださいませ。癒し効果はグンバツでございます。

(文:N田N昌)

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この記事を書いた人

N田 N昌

放送作家・ナンセンス絵本マニア 「有田とマツコと男と女」「レゴニンジャゴー(アニメ)」 「天才テレビくんMAX」「小島慶子のオールナイトニッポンGOLD」 など、テレビ・ラジオ番組の構成脚本を担当。

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