最近、よく耳にする「大人絵本」。しかし、多くの場合…“大人も懐かしんで童心にかえることのできる絵本”と思われているのでは…。
ワタクシメが定義する「大人絵本」は…“大人が自分のために楽しむ絵本”でございます。「大人も楽しめる」ではなく「大人が楽しめる(子供も楽しめる)」絵本をご紹介していきたいと思います。
ちなみに、大人が読んで楽しい絵本、大人をターゲットにしている絵本は現在、急増中でございます。近いうちに「絵本女子」がブームになるのでは…そこで今回は、大人絵本の中でも笑えるもの、「初笑い」できるものをご紹介!
まずは、定番中の定番から!
出典:https://twitter.com/YoujikyoikuInfop>
先日、「第9回MOE絵本屋さん大賞2016」の1位に輝いたヨシタケシンスケさんの「もう ぬげない」でございます。
ヨシタケさんといえば、絵本界で今、一番話題の人ではないでしょうか。1個のりんごをめぐって男の子が想像を膨らませ、様々なアイデアが氾濫する絵本「りんごかもしれない」で一躍注目を集め、以後、「ぼくのニセモノをつくるには」、「りゆうがあります」、「ふまんがあります」…とヒットを連発されております。
一連の作品は「発想絵本」と呼ばれているようですが、今回の「もうぬげないは」は少し違います。1つのお題に対して、様々な面白アイデア回答を連発する大喜利スタイルではなく、1本の物語になっています。
ただし、発想はヤッパ!ゴイスーでございます。ストーリーは、お題のとおり!服が脱げなくなった男の子の物語。絵本にありがちな設定と思うことなかれ、しっかりヨシタケワールドが展開されております。
服が脱げなくなった男の子は、さて何をするでしょう?この行動が、大人も認める破天荒ぶりなのでございます。子供を持つ親が思う「面白いね、笑えるね」の域を越えております。大人がコメディー映画や漫画を読んで「面白いね、笑えるね」の域なのでございます。
ぜひ、大人向けのコメディー映画、漫画を見る感覚でお楽しみくださいませ。
お次は、2冊セットで!
出典:http://www.kodomoe.net/tuperatupera/
tupera tupera(ツペラツペラ)さんの「うんこしりとり」と「おならしりとり」でございます。こちらも、人気絵本作家さんでございます。
「パンダ銭湯」、「しろくまのパンツ」など数多くのヒット作を手掛けていらっしゃいます。「パンダ銭湯」も、かなり笑えます!
出典:https://twitter.com/amnosmika3104
3行前に絵本作家さんとお伝えしましたが、正確には、亀山達矢さんと中川敦子さんによるユニットでございます。絵本やイラストレーションはもちろん、工作、ワークショップ、舞台美術、アニメーションなど、様々な分野で幅広く絶賛活躍中でございます。NHKのEテレの工作番組「ノージーのひらめき工房」のアートディレクションも担当されております。
そんなtupera tuperaさん、大人のファンも多く、「おしゃれで楽しい絵本が大好きぃ♪」という方が多いのですが、この2冊は少し系統が違います。大人女子はもちろん、大人男子もハマる面白さでございます。
メンズも納得のナンセンスとでも申しましょうか…ざっくり、内容をご紹介すると
うんこのしりとりです。(念のため…)うんこのしりとりです。食わず嫌いは、決しておやめください。(うんこだけに?)絶対ハマります!
こうしのうんこ→こがねむしのうんこ→こどものうんこ→こっそりうんこ→こめつぶのうんこ→こうきゅうなうんこ→こうちょうのうんこ→こいするうんこ→・・・絵が見たくなりませんか? 絵を見ると面白さ、うん〇〇倍です!!
そして、「おならしりとり」。こちらは、「うんこしりとり」好評につき第2弾!でございます。こちらもハマります。ぜひ、「うんち」と「おなら」、セットでお楽しみくださいませ。
出典:http://www.kodomoe.net/tuperatupera/
最後に、もう1冊だけ。超シュールな絵本を…。
出典:https://twitter.com/aimia093
鈴木のりたけさんの「ケチャップマン」でございます。こちら、幻の絵本と呼ばれていましたが、去年、復刊されました。
鈴木さんは、「ぼくのトイレ」で第17回日本絵本賞読者賞、『しごとば 東京スカイツリー』で第62回小学館児童出版文化賞を受賞するなど、王道を行く絵本作家さんだと思っておりました。個人的には、「ぶらんこ」、「す~べりだい」など好きなのですが…
デビュー作が超シュールなのでございます。なぜに、この作品だけ、こんなに前衛的、アバンギャルドなのか…どう考えても、子供には理解できない面白さでございます。
主人公は、あのお馴染みの容器に入ったケチャップが主人公。ポテトフライの店を訪れるが、なぜかアルバイトとして採用されます。(子供の絵本なら、ケチャツプとして採用されるはずですが、ポテトを揚げたりするアルバイトとして採用されてしまうのです。)
そんなある日、頭がトマトのトメイト博士が来店、さらに人生が急展開!町もパニックに…。是非、大人の読み物としてお楽しみくださいませ。