就職や転職の際に大きな強みになる「資格」。「現在の仕事を何才まで続けられるか不安になり、医療事務の資格を取った」、「出産・育児で働けない時期に、今後のために就職に有利な資格をと思い、ファイナンシャルプランナーの勉強をはじめた」など、自己啓発やキャリアアップとしても、資格取得は依然として多くの人が関心を寄せています。
ただ、最近では就職や転職のために資格を取得したものの、その資格を活かした仕事に就けないでいる、いわゆる「資格難民」も増えているというのです。今日はそんな「資格難民」の実態について調べてみました。
資格を取るときは、「その先」を!
トレンド総研が500人の女性を対象に行った調査によると、資格取得後の就職・転職活動において感じた壁は、「条件にあう募集が少ない」、「経験者優遇で、未経験は不利」、「競争率が高い」などが多く挙げられました。 やはり、せっかく資格を取得しても、就職や転職で悩まされた人が多いようです。
「就業を見据えた資格取得において重要と思うことは何か」という問いには、「就業サポートが受けられるスクール・講座選び」、「仕事を続けながら資格の勉強をする」が上位となりました。資格取得をゴールにせず、その先を見据えた行動が重要なことがわかりました。
マーケットをよく知ることが重要である
キャリアアドバイザーとして、これまで延べ13000人以上のキャリアカウンセリングを行う藤井佐和子先生は「資格取得自体はキャリア形成の大きな武器」としつつ、「職のマーケットをしっかりみておくのも重要」と言います。先生によると、税理士や社労士などの「士業」のような、市場が縮小している一方資格取得者数が増えている資格は要注意。就業を見据えた資格では医療や介護など、高齢化社会で需要の上がる資格は就職にも役立つそう。
また、その後の就職を本気で考えるなら「スクールや講座がオススメ」と藤井先生。同じ目標に向かう仲間ができるし、わからないことを気軽に質問できる環境や、現場で実務経験のある講師から生の声を聞けることは大きいですよね。最近は他校との差別化として、就業に直結することや資格取得後の就業アドバイスなどをセールスポイントにしているものもあります。
資格取得の助成金もある
厚生労働省では、働く人の能力開発支援と雇用の安定・再就職の促進として「教育訓練給付制度」を行っています。一定の要件を満たした人が、医療事務やネイリストなどの指定講座を受講すると、かかった費用の20%(上限10万円)を支給してくれるもの。これから資格取得を目指す人はぜひチェックしておきたい制度です。
教育訓練給付金について(厚生労働省サイト内):http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html
新年の目標や春からの新しいスタートとして、自分の磨きたいことやこれからの展望を考えつつ、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。