先日発表された、ユーキャン新語・流行語大賞候補にもノミネートされた『火花』。もう随分前のことのように思えるけど、今年一番の出版ニュースといえば、やはりピース・又吉直樹さんの芥川賞受賞ということになるだろう。
芥川賞といえば当然、超有名でザ・名誉な文学賞! 普段はその「名誉」部分ばかり注目されがちだが、もちろん賞品もついてくるのだ。正賞が懐中時計。そして副賞は100万円だ! …100マンエン!
まあ、『火花』の印税は3億以上ともいわれているので、それと比べたら屁みたいな額だけど、ボクらからしたら超欲しい!…ということで今回は、お金的な側面から、お得な文学賞を調べていきたいと思います。
芥川賞(100万円)をとるためのルートは?
純文学を書くなら、もちろん狙うは芥川賞!
そして100マンエン!…といきたいところだが、芥川賞は公募の賞ではないので、いっくら欲しくても、いきなり応募することはできない。
ではどうやって選ばれているのかというと、おおむね『文學界』『群像』『新潮』『すばる』『文藝』という五大文藝雑誌に掲載された作品の中から選ばれることになっているようだ。
そんじゃ、それらの雑誌に小説を載せてもらうにはどうしたらいいのか!?
又吉さんの場合は、たまたま知り合った『文學界』編集者に依頼されて小説を書きはじめ、
いきなり『文學界』に掲載という、まあ芸能人だからこそのうらやましいルートで芥川賞をとっているのであまり参考にならない。
一方、又吉さんと芥川賞を同時受賞して「こっちは全然注目されてないんすよ」という自虐ネタでむしろ注目されて、 最近やたらとテレビに出ている羽田圭介さんの場合は、雑誌『文藝』の主催する新人賞・第40回文藝賞を授賞してデビュー。
何度かの芥川賞候補を経て、今年芥川賞を受賞!一般人が狙うとしたらこのルートだ。
それでは『文學界』『群像』『新潮』『すばる』『文藝』それぞれの新人文学賞の中でどれが一番(金的に)お得なのか…!?
1文字あたりの賞金が高い文学新人賞は?
各賞の賞品を調べてみると、文學界新人賞の場合は、賞金50万円+記念品。
群像新人文学賞は、賞金50万円(受賞作複数の場合は分割します)。
すばる文学賞は、賞金100万円+記念品。
新潮新人賞は、50万円+特製記念ブロンズ楯。文藝賞は、賞金50万円+万年筆。
こう見ていくと『すばる』の賞金100万円がズドーンと突き抜けてお得!かたや『群像』なんて記念品もない上に、
受賞作が複数あった場合には、賞金50万円も分割されてしまうという…せ、せちがらい。
コレは『すばる』に応募するしかないな!…と思ってしまいがちだが、文学賞には書かなきゃならない文字数というのがある。
どうせなら、少ない文字数でビッグな賞金をもらえるところを狙いたいところだ。
果たして1文字あたりの賞金が一番高いところは!?応募規定の最低枚数を基準に考えていくと、文學界新人賞は、400字詰め原稿用紙70枚以上150枚以下となっているので、1文字あたり約17.8円。群像新人文学賞は、70枚以上250枚以下なので、同じく1文字あたり約17.8円。
すばる文学賞は、100枚程度から300枚までとなっているので、1文字あたり25円。新潮新人賞は、250枚以内となっているので、まあ最低枚数はその半分の125枚くらいかな…と考えると1文字あたり10円。
文藝賞は、100枚以上400枚以内ということで、12.5円。
あ、やっぱ『すばる』が一番お得ですな。
やっぱ推理小説家になろう……
しかし、芥川賞を運営しているのは文藝春秋社だから、文藝春秋社が出している『文學界』から選ばれる率が高いともいわれているし……。
だとすれば、文學界新人賞を狙えばプラスで芥川賞の100万円ももらえるかもしれないし……。
でも、意外とお得じゃなさそうに見える群像新人文学賞を狙った方が、倍率が低くて確実に賞がとれるかもしれないし……。まあ、こんなこと考えているうちは賞なんてとれないんでしょうな。
ちなみに、純文学以外に目を向けてみると、推理小説の新人賞である江戸川乱歩賞は賞金1000万円!
松本清張賞は500万円! ミステリー文学大賞新人賞も500マンエン! 横溝正史ミステリ大賞は400マンエン!
…推理小説、書こ。