コロナ渦で家庭料理はどう変わったか

2021/09/08
内藤 みか

コロナ禍でなかなか外食もままならない時は、自炊せざるをえない人も多いと思います。そんな時勢を汲んでか、雑誌の記事も家庭料理のサポートをするようなものが増えてきました。ウィズコロナの時代、家庭料理はどのように変化しているのでしょうか。

コロナと簡単料理

昨年、初めて緊急事態宣言が出された頃は、コロナ禍で初めて料理をしたという人も少なくありません。そんな人でも気軽にチャレンジできるような記事が目につきました。そして家族が1日家にいるので、朝昼晩と台所に立たなくてはならなくなった主婦のためにも、時短料理の記事が増えました。

筆者自身も、コロナ禍で、台所に立つ時間が増えました。毎日自分の味付けだとさすがに飽きがくるので、今まであまりしたことがないトマト煮やケチャップ炒めなど、洋風の味付けを増やしたり、工夫しながら毎日を少しでも新鮮に思えるように過ごしていて、雑誌などのレシピもかなり助けになっています。

究極の緊急時レシピ

『主婦の友』という雑誌は、戦時中にはかなり究極のレシピを公開していました。なんと、道端に生えている雑草の見分けかたや食べかたの特集があったのです。当時の日本人が相当な食糧難だったことがうかがえて考えさせられましたし、それに寄り添い、少しでも役立つ記事を提供しようとしている雑誌の姿勢にも感動しました。

このコロナ禍でも、読者の日々の生活を思い、どのような記事だったら喜ばれるのかを考え抜いて特集を組んでいるのだと思います。最近は、いかに冷凍食材を使い回すかや、おいしいレトルト食材の活用など、できるだけスーパーに行く頻度を下げられるよう工夫している記事があります。雑誌記事はその時の世相を写す鏡なのです。

危機と家庭料理

『vesta』2021年夏号には「明治から現代まで危機は家庭料理にどんな変化をもたらしてきたか」という記事が載っています。1732年の享保の大飢饉で大勢の餓死者が出た際に、サツマイモをたくさん育てて飢えを凌いだり、1858年にコレラが大流行した時は、魚が原因なのではと言われ、漁師や魚屋や料理屋が仕事を失ったとあります。

いわゆる国難の時には、人々の食生活にも何らかの影響が出ると記事にはあります。実際私たちはコロナ禍で、大きな変化を味わっています。通販の売れ行きは前年比20%と大躍進だそうですが、その中には食品も少なからず含まれているはずです。店に行きづらくなったので、ネットで購入せざるをえなくなったからなのですが、珍しいものを取り寄せることにより、食卓を少しでも華やかに飽きのこないものにしているのでしょう。

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内藤 みか
この記事を書いた人

内藤 みか

作家/脚本家/イケメン評論家。著書80冊以上。ケータイ小説時代から電子書籍の自著も多数。脚本担当のラジオドラマ『婚活バスは、ふるさとへ』(YBS)が文化庁芸術祭優秀賞&日本民間放送連盟賞優秀賞。 ツイッター https://twitter.com/micanaitoh ブログ https://plaza.rakuten.co.jp/micanaitoh/

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