西島秀俊、「表現するために生まれてきた方」満島ひかりを絶賛

2026/07/30
石井隼人

その難しいテーマから映像化不可能と言われた作家・打海文三氏による傑作ミステリー小説を映画化した『時には懺悔を』(8月28日全国公開)。その完成披露試写会が7月29日にTOHOシネマズ日比谷にて実施され、主演の西島秀俊、共演の黒木華、宮藤官九郎、柴咲コウ、片岡鶴太郎、そして中島哲也監督、さらに特別ゲストとしてスペシャルニーズスーパーバイザーの安田一貴氏が参加した。

満員御礼で迎えたこの日、9年前の誘拐事件の真相へと迫る探偵・佐竹三雄を演じた西島は「この度は熊本地震でお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げます。そして被害に遭われた皆様に心からお見舞い申し上げます」と昨日起こった令和8年熊本地震の被災地に心を寄せながら「撮影中は素晴らしいキャストの皆さん、それからスペシャルニーズを持つ子供たちと毎日とにかく魂を込めて撮影をしていました。こうして完成して皆さんに観ていただけるはとても嬉しいです」などと柔和な笑みで挨拶した。

一方、中島監督は「私事で映画の上映が伸びて、この映画の完成と上映を楽しみに待っていらしたお客様に迷惑をかけたことを心からお詫びいたします。申し訳御座いませんでした」と深々と頭を下げて謝罪し「今日はこれだけ多くの方々に観ていただけるという事で、信じられないくらい嬉しいです」と来場に感謝した。

また構想およそ18年を経て完成にこぎつけた事に「原作に出会った当時は、障がい児の方に出ていただくこのような映画など不可能だと否定されました。それがこの時代になってやるべきだという事で、映画化に向かってちょっとずつ進んでいきました。僕一人ではなく、色々な人たちの想いが映画を完成させたと思います。俳優さんもスタッフも魂を込めて演じ、撮影しております」と述べた。

西島はバディを組んだ満島ひかりについての感想を求められると「表現するために生まれてきた方なんだな、というのが第一印象。どのシーンのどの瞬間を切り取っても、本当に生きている、その感情が生々しくあるという方だと感じました。満島さんとのシーンはどのシーンも本当に充実した思い出深いシーンになっています」と絶賛していた。

スペシャルニーズの俳優たちの演出について中島監督は「彼ら彼女たちの魅力がカメラ前で半減しない事だけを考えていました。彼らが1番リラックスした状態で、伸び伸びと普段やってるように動いてもらう。その環境を作る事だけでした。撮影には保護者をはじめ、スペシャリストたちが完璧な状態でケアしてくれていました」と述べた。

そのスペシャリストの一人である安田氏は「参加してくれたお子さんたちの、役者という新しい挑戦を後押しできるようなアシスト役に徹する事を大切にした」などと自身の使命を解説。

西島は撮影に入る前に安田氏や保護者から「俳優として遠慮せずに接して欲しい」と言われた事を振り返り「安田さんや医療スタッフ、病院、色々なケアがあった中で、僕自身もそれからおそらくキャストの皆さんも、本当に遠慮なく、思いっきり演技をしていたと思います」と言うと、安田氏も「西島さんは撮影後もお子さんたちに会いに来てくれたりして、交流が続いています。僕にとっても子供たちにとっても、世界が広がった良いきっかけになった」としみじみしていた。

最後に主演の西島は「この映画には沢山のキャラクターが出てきます。その中からこれは自分の物語だと思うキャラクターを見つけていただけると思います。そのキャラクターと一緒にこの映画を生きてください。凄くリアルという事にこだわって、本当にリアルな感情やリアルな現実を積み重ねて撮影しました。その先に、ささやかな、でも確実に美しい光が射します。ぜひそれを感じていただければこんなに嬉しい事はありません」と呼び掛けていた。

この記事が気に入ったらいいね!しよう

石井隼人
この記事を書いた人

石井隼人

映画好きエンタメ系フリーライター。「来るもの拒まず平身低頭崖っぷち」を座右の銘に、映画・音楽・芸能・テレビ番組などジャンル選ばず取材の日々。ありがたいことに映画作品のパンフレット執筆、オフィシャルライター&カメラマンを拝命されたり、舞台挨拶の司会をしたり…何でもやります!

石井隼人が書いた記事

あなたへのおすすめ

カテゴリー記事一覧

pagetop