
名優・佐藤二朗が原作・脚本・主演を務めた話題の映画『名無し』(5月22日公開)。4月27日にはイイノホールにて完成披露試写会が実施され、主演の佐藤二朗、共演の丸山隆平、佐々木蔵之介、そして城定秀夫監督が参加した。
原作、脚本、そして名前のない怪物“山田”を怪演した佐藤は「5年前に一人でウジウジと考えた物語がこうして一般の皆さんに初めて観ていただけるという事で」と喜びを嚙みしめながら「賛否が分かれる作品だと思いますが、試写では絶賛してくれる人が多いです。人も沢山死にますから賛否があってもいいですが、観終わった感想をSNSにどんどん書いてください。…はい、以上で舞台挨拶を終わります!」と笑わせつつ挨拶した。
また佐藤は過激なテーマ故に特殊な世界観のある作品だと認めながら「お蔵入り寸前になって僕も諦めたやつが、ようやく皆さんにこうして観ていただけるわけなので、賛否は覚悟しております。僕は完成作を観て本当に素晴らしいと思ったので、城定監督には本編では決して出来ない右手を使っての握手を求めました」と作品完成に胸を張った。

身寄りも名前もなかった少年期の“山田”の名付け親となる巡査・照夫役の丸山は「ここまで刺激的で念の籠った台本に出演させていただくことが、30年くらいの活動の中で初めての事だったので戸惑いもありつつ。プレシャーと覚悟の中で演じさせて頂きました」と挨拶。佐藤同様に賛否ある問題作だと認めながら「でも賛否ある方が、それぞれの考え方で本作に向き合えるという事なので、問題作と言われようが何だろうが、世に届いて沢山の人に観ていただくことに意味がある作品だと思う」と持論を述べた。
バイオレンス映画好きという丸山は本作を「大好物」としながら「血がいっぱい出てきたりするけれど、それだけではない色々な奥行きのある人間ドラマがある。作者が血反吐を吐きながら作ったものが人の心を打ったりするけれど、この映画はまさにそれ」と深い余韻のある作品だと解説していた。

“山田”を止めるべく奔走する刑事・国枝役の佐々木は「明らかにフィクションで己自身も出ているのに、観終わった後に現実味を帯びた生暖かい感覚があった。それくらい刺さるような殴られるような、根源的なものがあったのだろうと思う。それくらい僕自身、あまり観たことのないような映画を観たという感じ。虚構なのにリアリティを感じる。これぞエンタメ」と太鼓判を押していた。
城定監督は、佐藤による脚本を一読して「面白いけれどこいつは難産になるぞ」と思ったそうで「二朗さんの熱量が本作の企画を通したと思う。僕が出しても絶対に通らないであろう変で面白い映画をやって良いんだという喜びがあった」と声を弾ませて「現場は凄く楽しくて結果的に安産でした!」と手応え十分だった。







