上野動物園は先日、パンダのシンシン(雌)さんに発情の兆候が見られたと発表、雄のリーリーくん(さん)との交配に向け2頭の一般公開を中止にいたしました。このニュースを聞いて気になったのが、…兆候とは具体的に???
調べてみると、今回の上野動物園の場合は、シンシンさんが雄のにおいを気にするようになり、ここ数日「恋鳴き」という繁殖期独特の鳴き声を出すなどの行動が見られたためとのこと。
ちなみに、パンダの発情期は、年に1回、通常3~5月位。そのうち雌が妊娠可能な日数は3日程度と言われております。この超短い期間以外は異性に対してまったく興味を示さないんだとか。草食系?
兆候としては、上記以外には、マーキング(臭い付け)、水に入っての体冷やし、雌の外陰部の膨張、雄の睾丸の膨張、食欲の減退などがあるそうでございます。また、動物園での自然交配はさらにハードルが上がるそうでございます。
その理由
①飼育されている雄オスの約10%程度しか繁殖能力がないらしい
②パンダは人間並みに相手を選び、雌は雄の容姿や性格を気に入らなければ受け入れない。
そんななか、動物園では交配のためにこんなことも…。雄は交尾の際に重要な後ろ足を鍛えるトレーニング。さらに、他のパンダの交配の模様を撮影したビデオを見せたりしているんだとか。…。
パンダも努力しております。がんばれ!雄。負けるな!雄。
以上、パンダの交配の裏舞台についてご紹介させて頂きましたが、せっかくなので、この場をお借りして人気絵本「パンダ銭湯」の出産(誕生)秘話もご紹介させて頂きます。
大人から圧倒的な支持を受けているツペラ ツペラ(tupera tupera)様の「パンダ銭湯」、見たことある!という方も多いのでは…。見てない方、是非一度、ご体験くださいませ。驚愕のパンダの秘密が明らかになるパンダ専用の銭湯のお話でございます。大人が笑えるとってもシュールな絵本でございます。
ちなみに、ペラツペラ様は、亀山達矢さんと中川敦子さんによる夫婦ユニット。絵本やイラストレーションをはじめ、工作、ワークショップ、舞台美術、アニメーション、雑貨、NHK Eテレの工作番組など様々な分野で幅広く活動されております。
で、この「パンダ銭湯」誕生までのエピソードですが、最初のきっかけは、亀山さんでした。ある日、テレビを見ていたらパンダが出てきて、一瞬、何か違って見えたんだとか。「こいつ、胡散臭い」と。みんな騙されてる、この秘密を暴露したいと。
しかし、パートナーの中川さんをはじめ周囲は乗り気ナッシング。さらに、追い打ちをかけたのが、パンダのしっぽが白だった問題。亀山さんは、ずっとパンダのしっぽは黒だと思っていたそうで、白だと知った際に「なぜ進化の過程でここを黒にしなかったのか!」と…
そんなこんなで、やる気が失せて数年間放置状態。そんなある日、それまでに描いていたパンダのラフが偶然出てきて、それを久しぶりみたら面白いではないかと…。これが「パンダ銭湯」誕生のきっかけでございます。
もうひとつ、「パンダ銭湯」のウンチクを…。
お二人は普段、絵本を全部貼り絵で作られております。しかし、この時は、どうしても背景をリアルな銭湯にして、手前に怪しいパンダを貼るということをやりたかったそうで、珍しく分業スタイルになったそうでございます。
中川さんが背景のデッサンを担当。亀山さんが大量のパンダの白と黒のパーツをひたすら作り続けたそうです(ご自身はこの難行を「パンダ修行」と呼んでいるとかいないとか)。
夫婦の愛の結晶でもある「パンダ銭湯」、是非一度、ご体験くださいませ。