癒しだけじゃない!? 背筋も凍るアニマルパニック

2019/10/03
南城与右衛門

動物を扱ったテレビ番組や動画は今も昔も大人気。観ていてほっこりもするし健気な行動は涙さえ誘います。しかし中には動物が突然本能を表し残酷な事件もしばしば耳にします。しかも単なる事故では片づけられないような凄惨なものも。今回はそんな背筋も凍るような実話のアニマルパニックを紹介します。

ツァボの人食いライオン

1898年、ケニア・ツァボでのこと。ツァボ川に橋を架けるため労働者が3000人集められ、いくつかの居住地に分れ生活していましたが、この労働者たちに2頭のライオンが牙を剥きました。ライオンは次々と労働者や近辺の住人を襲撃し一帯は阿鼻叫喚。ライオンの胃袋に入ったのは諸説ありますが28人。最期は射殺されました。普段余程の事が無い限り人間を襲うことがないライオンが人食い化したのは何故なのか? 

いくつか説があるようで、当時未開の地だったツァボ。労働者が病気などで死亡しても埋葬できず谷底などに投げ込んでいたため、この遺体をライオンが食べ、味を覚えてしまった説。

また常に襲っていた水牛などが伝染病で減少したため止む無く人間を襲った説やヤマアラシの針が歯に刺さり狩りが上手くできなくなったためひ弱な人間を襲った説などがあります。

ちなみにこの2頭の人食いライオン、はく製になり米シカゴの博物館で展示されています。

人間狩りチンパンジー ブルーノ

動物の管理方法が確立していない大昔の話しではなく2006年という近代で起こった凄惨な事件。1988年西アフリカのシエラレオネ共和国のとある夫妻が市場で幼いチンパンジーを購入。ブルーノと名付けられ数年飼われました。しかしブルーノは次第に大きくなり飼えなくなった夫妻は電気柵で囲われた保護地区に放たれました。幼い頃から人間と暮らしてきたブルーノは賢かったためか群れのリーダーに。その賢さは狡猾で人間に甘えれば世話をしてくれるという事を学んでいたり、人間が保護地区の電子錠を操作しているのを観察し開錠する方法を学習していたりしてそう。またチンパンジーの腕力は人間に優ると認識しており脅威を感じていることも理解していたといいます。

そして2006年事件が起こりました。新しくできたアメリカ大使館を見学するため米国人2人、現地のドライバー1人が保護地区の近くを車で走行。すると保護地区を脱出していたチンパンジーの群れと遭遇。アクシデントで車が動かなくなるとブルーノ率いる群れが人間に一斉攻撃を仕掛けました。急襲された人間たちは散り散りに逃げるとブルーノは部隊を分け各個襲撃。逃げ遅れたドライバーをフロントガラスをぶち破り引きずり出すと地面に頭部を打ち付け失神させ、手足を噛みちぎり殺害。他の人間たちも捉えいたぶり腕を切断した者もいました。凶行を果たしたブルーノ一行は保護地区に戻るものもいましたがブルーノは逃亡、未だ捕獲されず見つかっていないそうです。

ジェヴォーダンの獣

1764年、フランスのジェヴォーダン地方の村人が獣よって殺戮される事件がおこりました。最初に襲撃にあい一命を取り留めた少女によるとそれは巨大な獣といいオオカミとはまた違う大きな体躯をしていたと証言。その後、別の少女が内臓を食い破られ殺害。神出鬼没で対策も打てぬまま数か月で80人から100人が殺され多くは女性や子供だったそうです。凄惨な襲撃事件の噂は国王の耳まで届き討伐隊が編成され山狩りが始まりました。その間にも犠牲者は増えていったそうですが翌年派遣された射撃の名手により獣は射殺されました。退治された獣は体長1.7m、体重60kgの大柄なオオカミでした。これで一件落着、国民は胸をなでおろしました。ところが数か月後、またもや獣が現れ村々を襲撃し始めました。安堵一転、再び村々は恐慌状態。結局、67年に獣は射殺されますがどういった生物なのか確認されぬまま国王の命によりすぐさま死骸は埋められ、いまだその正体は未確認のままなんだそうです。

執拗な追跡者の正体は……?

2018年、ドイツで起こった事件。朝、男性が道を歩いていると何者かに追われている気配を感じました。男性は恐怖でそれが何かを確認せぬまま振り切ろうと走りますが追跡者は執拗に追いかけ回したそうです。男性は恐ろしさで警察に通報。警官が駆け付けその追跡者を見ると……

それはなんとリスの赤ちゃん。

赤ちゃんは警察に保護され箱の中に入れられると疲れたのかすぐに眠ってしまったそうです。警察によると赤ちゃんは親からはぐれてしまったのか1匹でおり、たまたま見つけた男性を親がわりとして追いかけ回したのではないかと説明。その後、専門家に引き渡され十分なケアをされているそうです。

上記3例が怖すぎるので最後はほっこりで締めてみました。

いずれも震撼する事件でしたが、いわゆる獣害でガチで恐ろしく有名なのはテレビの特集や書籍にもなっている三毛別羆事件。そんじょそこらのホラー作品をはるかに凌駕する実話のアニマルパニック。軽い気持ちで読んだり調べたりすると夜、眠れなくなります。

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この記事を書いた人

南城与右衛門

"情報番組や誰も知らない深夜番組、ラジオなどを構成したり、ソーシャルゲームのシナリオを書いたりする、いわゆる駄放送作家。友達はPC、恋人は二次元、恩師はあらゆる漫画、といった充実した人生継続中"

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