SEKAI NO OWARIのFukaseの絵本『ブルーノ』が重版中

2021/11/30
N田 N昌

みなさんご存知の通り、有名人、アーティストの絵本参入がブームでございます。

つい先日も、中村獅童さまが、しかけ絵本『中村獅童のおめんであそぼ とびだす! かぶきえほん』が出たばかりでございます。

「中村獅童のおめんであそぼ とびだす!かぶきえほん」(作:中村獅童 絵:田中六大 出版社:主婦の友社)

その背景には、“大人絵本ブーム”。自分のために絵本を購入・楽しむ大人の増加がございます。そんななか、ここ数年、たくさんの有名人、

アーティストが絵本を出されております。なかでも「本格的!」と注目されているのが、今年10月に絵本『ブルーノ』を出版されたSEKAI NO OWARIのFukaseさまでございます。
世代を超えて人気の「SEKAI NO OWARI」のボーカル。そして、最近は俳優としても注目を集めておられます。絵に描いたような「多才」でございます。

菅田将暉さまと共演した映画「キャラクター」のBlu-ray ・ DVDの特装版には、Fukaseさまがこの映画も使われていた2メートル四方の油絵の制作過程の映像も収録されております。ちなみに、こちらの油絵、そもそもはFukaseさまが役作りのために描いた小さいサイズの油絵でした。それを映画監督の永井さまが気に入り、劇中でも使おうということに…。撮影の休みの日に倉庫を貸し切り、丸一日かけて描きあげたそうでごさいます。

そんなFukaseさまの油絵が思う存分楽しめるのが、こちらの絵本『ブルーノ』でございます。アートブックとしてもお楽しみ頂けるのではないかと。

「ブルーノ」(作・絵:Fukase 出版社:福音館書店)

絵だけではございません。長年あたためてきたというストーリーもゴイスーに素敵でございます。とにかく“深い”!哲学絵本でございます。ぜひ、大人に楽しんで頂きたいのでございます。

舞台は、嵐に襲われた王国。王様が助けに来てくれると信じて待つ村人のタルカス。そして、どうすれば国民を助けられるか悩み葛藤する国王。タルカスの視点、国王の視点、2人の視点、立場から描かれるふたつのストーリー。この2つのストーリーが表と裏から描かれております(両サイドが表紙になっております)。真ん中で2つのストーリーがひとつになる、そんな構成になっております。

絵本でお決まりの“ハッピーエンド”と思ったら大間違いでございます。いったいどんな結末が待ち構えているのか…。大人が存分に楽しめるエンターテイメント作でございます。

出版社も、月刊絵本「ことものとも」でもお馴染み、絵本の老舗「福音館」でございます。福音館のホームページで確認したところ、『ブルーノ』は“重版中”と表示されておりました(11月22日現在)。

これからの季節、大人が大人に贈るクリスマスプレゼントにもオススメでございます。「絵本なんて子供のもの」と思われている方、騙されたと思って読んで、眺めて頂きたい絵本でございます。

(文:絵本トレンドライター N田N昌)

この記事が気に入ったらいいね!しよう

N田 N昌
この記事を書いた人

N田 N昌

放送作家・ナンセンス絵本マニア 「有田とマツコと男と女」「レゴニンジャゴー(アニメ)」 「天才テレビくんMAX」「小島慶子のオールナイトニッポンGOLD」 など、テレビ・ラジオ番組の構成脚本を担当。

N田 N昌が書いた記事

あなたへのおすすめ

カテゴリー記事一覧

pagetop