みなさんは、ショーン・タンさんをご存知でしょうか…。
世界で今最も注目される絵本作家・イラストレーターのお一人でございます。
以前、「アメトーーク!」(テレ朝系)で、読書芸人のカズレーザーさまが、「絵がとんでもねえ緻密」、「全員が感動できる」と絶賛され、ネット上でも話題になった絵本「アライバル」の作者でございます。
「アライバル」(作:ショーン・タン 訳:小林美幸 出版社:河出書房新社)
ちなみに、「アライバル」は、今話題の大人が楽しめる「大人絵本」の典型的な作品でございます。アート作品として眺めているだけでも十分楽しめます。さらに、物語も秀逸。まるで素敵な短篇映画を観ているような絵本でございます。
出版社の紹介文には、世界各国多数の賞を受賞、世界中に衝撃を与えたグラフィック・ノヴェル、ついに刊行!漫画でもコミックでもない、素晴らしいセンス・オブ・ワンダーに満ちた「文字のない本」と、記されております。
ショーン・タンさまは、オーストラリアの方で、アングレーム国際コミック・フェスティバル最優秀作品賞、世界幻想文学大賞(アーティスト部門)、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞など、世界の名だたる芸術賞・文学賞を受賞。
その才能は、絵本やイラストにとどまらず、自身の絵本「ロスト・シング」を自ら映画化し、2011年のアカデミー賞(短編アニメーション賞)も受賞されております。おそるべし才能でございます。その後、舞台監督や、映画のコンセプト・アーティストとしても、大活躍中でございます。ちなみに、ピクサーの映画「ウォーリー」などにも参加されております。
そんなショーン・タンさまの日本では実に5年ぶりとなる新刊が先日、刊行されたのでございます。それがこちら。
「セミ」(作:ショーン・タン 訳:岸本佐知子 出版社:河出書房新社)
さっそく話題でございます。相変わらずの社会派でございます。そして見事なアートっぷりでございます。主人公はサラリーマンとして企業で働く「セミ」でございます。働いている方、会社員の方には、刺さること間違いナッシングでございます。
今の日本、世界の現実がシュールに、そしてアートに描写されております。まさに、大人のための絵本でございます。オシャレ雑誌の「GQ JAPAN」でも、「文字のない絵本『アライバル』で一躍人気となったオーストラリアの画家・映像作家の最新刊が話題だ」「静かで過激な問題作」として紹介されておりました。大人のファンも多い、大人気絵本作家、ヨシタケシンスケさまも「人間が、今、読むべき絵本」と紹介されておりました。
ちなみに、今、東京・練馬区にあるちひろ美術館にて、ショーン・タンさまの日本初の大規模な個展が開催中でございます。「ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ」(2019年5月11日~7月28日)。こちらも是非。