人気番組『マツコの知らない世界』(TBS)で、マツコ・デラックスさんが絶賛、話題になった絵本作家の長新太(ちょう しんた)をご存じでしょうか。唯一無二のナンセンス作家として知られる絵本界の巨匠でございます。その回は、絵本の特集だったのですが…ゲストの絵本評論家の方が長さんの作品を紹介。
その作品を見たマツコ様は…
「私ちょっとホントここ何年か見た書籍の中で最も電気が走った!」「長新太作品を全巻揃えたいわ」と絶賛!放送後、マツコさんも心配していたとおり、長さんの作品はAmazon、楽天市場、ヤフーショッピング、さらに、ヤフーオークションでも在庫切れの状態に。
ちなみに、番組で紹介された長さんの作品はこの2つ
そんな長新太さんですが、実はデビューは絵本ではなく「漫画」だったのです。
これは、是非、マツコさんにもお伝えしたい!「文春漫画讀本」などを中心に活動、なんと!「文藝春秋漫画賞」も受賞されているのであります。(主な活動の場を絵本に移してからも、ずっと漫画を描き続けていました。)
気になる内容ですが正直…、芥川賞・直木賞を創設した文藝春秋がなぜ、選んでしまったのか…と思えるような破天荒ぶり!超ナンセンスな作風は絵本だけではありません。むしろ絵本よりヒドイ、もとい、切れがある!意味不明の長新太ワールドがさく裂なのであります。ご本人も「自分の原点は漫画にある」と語られています。
是非、みなさんに『長新太の漫画の世界』を味わってもらいたいのですが絵本にくらべて、漫画の作品はなかなか入手が困難!(常人受けしない作風ゆえの宿命でもあります…)
ところが、奇跡が起こったのであります!長新太先生の漫画の作品集が先日、出版されてしまったのです。街の本屋さんではなかなか目にすることはないかもしれませんが…さすが!アート関係に力を入れている書店さんでは平積みになっておりました!
『これが好きなのよ 長新太マンガ集』(亜紀書房)
常人ではついていけないストーリーが満載!さすが長新太先生、帯には谷川俊太郎、糸井重里が推薦文を!あの大竹伸朗氏が絵本を描くと決まった時、「まずは、長さんに逢いたい」と言わせた男です。
先日、この作品集の責任編集を務めた土井章史(トムズボックス)さんによる出版記念トークイベントに参加してきました。
ずっと長さんと仕事をしていた土井さんは、こうおっしゃっていました。「この本は、最初から読むぞと思って読むタイプの漫画じゃないんだよね。(内容は)だいたい忘れちゃうんだよな(笑)。パラパラとめくって、ちょうど開いたページの漫画を読めばいい。読むと、ちょっと慰められるとうか、救われる感じ…頭がパカっと、真っ白になっちゃうんだよね。そんな座右の書的なマンガ集です。」
チャンスがあれば、ご自身の責任において長新太の漫画、ぜひ挑戦してみてはいかがですか…。