「視覚障害者柔道」技の攻防がとにかく激しい!

2017/04/23
放送作家 石橋アキ江

2020年、東京でオリンピックとパラリンピックが開催される事はご存知だと思いますが、パラリンピックの競技内容については意外と知らない方も多いはず。競技自体はアグレッシブなものばかりで、一度見るとファンになる人も多く、以外に知らない「へぇ~」が溢れているようです。そんなパラリンピック競技について、今回は「視覚障害者柔道」をご紹介していきます。

 

 

日本のお家芸とも言われている柔道、『視覚障害者柔道』のルールと注目選手をご紹介します。

 

技の攻防がとにかく激しい!

試合開始すぐに、派手な攻防が始まることも少なくありません。なぜかと言うと…

 

『視覚障害者柔道』ルールその1

 選手はお互い、50cm離れた位置から組み合った状態で始めなくてはいけない。

 

一般的な柔道だと、相手に手をかけるまでに時間がかかるものですが、『視覚障害者柔道』では、はじめから組み合っているので、試合開始すぐに大技をかけることも! 瞬きさえできない、かなりアグレッシブな戦いが行われるので一秒たりとも目が離せません!

 

『視覚障害者柔道』ルールその2

試合中に両手が離れた時は、試合を中断。

 

ずっと組み合たままの試合となるので、一般の柔道選手が必要とする力に加え、握力がかなり重要になってくるのです。いくら技に優れている、スピード感があると期待されている選手でも、手や腕に疲れが見えれば大逆転! なんていう波乱を含んでいるそうです。

 

他にも、

場外規定は、基本的に適用しない。

と、一般の柔道よりも戦い方の方法が狭まる分、スピード勝負になり、見ている者へ激しさを感じさせるのかもしれませんね。さて、突然ですがここで問題です。『視覚障害者柔道』の技の判定はどうやって知らせるでしょうか?

 

答えは、選手の掌に文字を書き、それを本人の胸の方向に向ける。(例:有効は「Y)なんです。こんなところにも注目してみてくださいね。

 

そして、障害にもそれぞれ重度がありますから、いくつかのクラスに分けられています。その分け方は、3段階

B1全盲:光覚なしから光覚まで。どの距離や方向からでも手の形を認知できないもの。

B2弱視:視力0.03まで、または視野が5度以内。

B3弱視:視力は0.04から0.1または視野が20度以内。

段階に分ける理由は、障害者の競技において「公平性」が重要視されているからなんです。そんな『視覚障害者柔道』において注目して欲しい選手が、夫婦ともに戦う2人…

 

注目の選手『廣瀬悠と廣瀬順子夫妻』

出典:https://www.parasapo.tokyo/

 

夫の悠選手は、リオで銅メダルを手にした柔道・広瀬順子選手に、13年の海外遠征で出会いプロポーズを受けゴールイン。練習も生活も夫婦二人三脚で行っている、世界を舞台に戦うアスリート夫婦だと注目を集めているのです。是非、注目してみてくださいね。

 

出典:https://www.parasapo.tokyo/

 

開始数秒で、立ち技から華麗に飛びかかり腕挫十字固を狙いに行ったかと思うと、相手選手が見事に防ぎ切り寝技の攻防に入るなど、見ている者がすぐに興奮の中へ引きこまれてしまうのが『視覚障害者柔道』。是非一度試合会場へ足を運び、目の前で体験してみるのは如何でしょうか?

 

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この記事を書いた人

放送作家 石橋アキ江

"テレビ番組、ラジオ番組の構成や脚本を執筆中。 中学校教員として十年以上の経験から、現場で悩みを抱える多くの人達に人生は楽しいものだと思ってもらえる作品を提供したいと日々模索中。参加作品「神秘に触れる夜」「ADVANCE EARTH」「携帯恋愛アプリMYNAME」など。"

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