芸術的なセンスに磨きをかけることと、スポーツに求められる運動神経を高めることは、実は同じ書きグセに由来しているんです。スポーツや芸術の秋というこの季節にご自身の筆跡を見直してみてはいかがでしょうか。
作文や卒業文集など、あなたの子どもの頃の筆跡があれば、ちょっと開いてみてください。お子さんがいる方であれば、その子の筆跡でもオッケーです。子どもの文字をひも解いてみると、文章が波打った感じ(行うねり型)になっているケースが多いと思います。
面白いことに、それが「マス目」のある原稿用紙でも「罫線」のある学習ノートでも、行のうねりがまっすぐになることはありません。文章が波打つ行うねり型というのは、実は運動能力と密接な結びつきがあります。運動神経が発達している元気で活発な子ほど、文章が大きくうねる傾向が見受けられます。これは子どもに限らず大人にも当てはまります。スポーツ選手の文章などを見ると、やはりなだらかに波打っている行うねりのケースがままあります。
行うねりには独特の感性とリズム感があることから、音楽に携わっている人にもよく見られる筆跡で、実際に行うねりがあっただけでミュージシャンではないですかと言い当てたケースもあるほどです。実際に音楽に携わっていなくても、単に音楽好きという方にもみられるケースがしばしばあります。
このリズム性を感じさせる行うねりの性格は、気持ちが揺れやすく感受性が豊かなことをあらわしており、芸ごとでもその力を発揮します。目の前の一点に集中したりコツコツ積み上げていくのは苦手ですが、波乗りのような感覚で流れに乗じて作品を創り上げていくような芸術分野で、その特質をいかんなく活かすことができるといえます。
これまで一度は体験してみたいと思いつつなかなか踏ん切りがつかなかった絵画や陶芸などにチャレンジしてみてもよし。新しいスポーツにトライしてみてもよし。この秋は、文章がなだらかに波打つ行うねり型を体得して、芸術にスポーツにいそしみ、あなたの中の眠れる可能性を大きく開く「挑戦の秋」にしてください!
芳田マサヒロ
筆跡診断士として、多くのメディアで活躍中。著書「なりたい自分になる!筆跡の魔法」(飛鳥新社)絶賛発売中
TOKYO FM ミュージックバード『Rili.のドリームエンタメラボ』内のコーナー「文字であなたをブッタ斬ります!筆跡仕事人」(毎月第1土曜日25:30~25:45)にて、メインパーソナリティーとして出演中(次回放送は11月4日(土))
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