いつまでも健康で、豊かな人生を送りたい。そうした人々の願いに寄り添い続けているのが、Feel 株式会社の長岡智津子代表だ。千葉県我孫子市にスタジオを設立し、地域の人たちに運動で健康になる方法を伝えている。高齢化が進み健康年齢を伸ばすために特に力を入れているのが、高齢者でも安全に運動できる「ポールウォーキング」の指導だ。今後、ポールウォーキングの実用書の出版を予定している。そんな長岡代表に、出版の経緯やポールウォーキングや体を動かす楽しさに対する思いを聞いた。
運動指導をしながら健康づくりに取り組む中、ポールウォーキングに出会う
小さい頃から身体を動かすことが好きだった私は、日本体育大学に進学しました。大学卒業後は、国立競技場のトレーニングセンターでインストラクターとして働き、その後独立してフリーになり、千葉県我孫子市にスタジオを構えました。身体を動かす楽しさを私自身が体現し、幅広い年齢層へ届けるため 2017 年に Feel 株式会社を設立。今でも、楽しく続けられる運動プログラムを提供しています。
ポールウォーキングの認知度を高めるべく、初となる専門書の出版を決意
ポールウォーキングは、日常生活を送る上で欠かせない「歩く」という動作を 2 本の専用ポールを使って行うことで、姿勢の改善や生活習慣病を予防改善が期待できるメディカルウォーキングである。ポールウォーキングの特長は、自分の身長に合わせて良い姿勢を保ったまま運動することができるため、腰痛や関節の痛みのある方や、身体のバランスが悪く、よくつまずく方でも、安全に歩行でき歩幅が広がりやすくなります。
ポールウォーキングのテクニックをマスターすると、上半身と下半身の回旋運動が起こりインナーマッスルや、基礎代謝 がアップするので太りにくい身体になり、歩幅の拡大、転倒予防も期待できます。ポールウォーキングを続けていると良い姿勢に必要な筋力・柔軟性・バランスが習得できます。続けていくとポールを使わなくても綺麗な姿勢で歩くことが可能になってきます。さらに、歩くことだけではなく、筋トレやストレッチも安全に行うことができます。
ポールウォーキングによく似たノルディックウォーキングやトレッキングポールがあります。形状は似ていますが用途が全く異なります。「杖を2本も持つなんて」と思う方もいます。ポールウォーキングに対してイメージがまだついていない人、どんなものかわからない人、そういった方たちのために、ポールウォーキングに関する書籍の出版に向けて準備を進めています。
2006 年に日本ポールウォーキング協会が設立されて以来、全国の指導コーチがポールウォーキングの普及や啓蒙活動に努めてきました。しかし、ポールウォーキングを全然知らない方、ポールウォーキングのことは知っていても正しい使い方を知らない、どこで教わったら良いのかわからない方のために、基礎からわかりやすく学べるポールウォーキングのハウツー本が必要だと考えました。
ゆくゆくは作成した本が、子から親へプレゼントとして、ポールウォーキングを始める方のハウツー本として多くの人の手に取ってもらえるように、さらにポールウォーキングについて理解を深めてくれる人が増えるように、積極的に活用してもらえるような本作りを行っています。 書籍では、自分に適したポールの長さを知る方法からポールを使ったエクササイズまで、初心者向けの情報を幅広く紹介する予定です。イラストでの解説に加え、QR コードで動画も見られるようにする予定です。
さらなるポールウォーキングの普及へ
ポールウォーキングを始めるにあたって、「どうやったらいいのかわからない」「そもそもポールウォーキングってなに?」「ポール使うのにちょっと抵抗がある」など様々な意見を聞くことがありました。でも誰かに教えてもらったり一緒に行うことで、効果を実感したり、仲間が増えたり、何よりもやってよかったと思うことが皆さんも多くあると思います。
運動も同じです。1 人ではなかなか運動を継続することができません。やはり誰かと一緒に歩いたほうが楽しいですし、やる気も出ます。そのために今後もポールウォーキングを幅広い年齢層の方々に認知してもらう機会を創出し、仲間を見つけられるよう、 全国のポールウォーキングのイベントやセミナー情報も積極的に発信していきます。
今後は、後世の育成にも力を入れていくにあたり、コーチの育成も並行して行っていきます。全国 47 都道府県に複数人ずつコーチがいてくれるような環境が理想です。ポールウォーキングのコーチは、リタイアした方でも、地域のために活躍するきっかけが生まれます。現在、ポールウォーキングは新しい局面を迎えています。2023 年には台湾ポールウォーキング協会が発足されました。台湾ではポールウォーキングのポールを歩くためだけでなく、ポールを使ってダンスをしたり、と活用の幅を広げています。今回の出版が、ポールウォーキングの認知度を高める第一歩となることを願っています。