現代の日本では「すべての女性が輝く社会づくり」というテーマが掲げられ、女性の活躍が推進されています。しかし、民間レベルでそれが実現できている企業がどれほどあるのかは不透明です。
そんななか、女性経営者の立場から「仕事を通して人生が輝く女性を増やしたい」という強い想いを持ち、女性が働きやすい環境の美容事業を展開している「Mahalo」の代表取締役・松井裕香さんに今注目が集まっています。今回は松井さんにインタビューし、仕事を通して女性が人生を輝かせるための「3つのエッセンス」について聞きました。
松井裕香さんインタビュー
まず最初に、どのような事業を展開しているのかを質問させていただきました。松井さんは「今現在はヘアサロン、ネイルサロン、アイラッシュサロン、エステサロン、ヘアケアブランドなどのプロダクト事業を展開しています。美容だけにこだわらず、あらゆる視点から弊社を通してたくさんのみなさまにワクワクとハッピーを届ける会社です!」と笑顔で答えてくださいました。
そんな松井さんがもっとも強く願っているのは「仕事を通して人生が輝く女性を増やしたい」ということ。自身が結婚、出産、子育てを経験して仕事と家庭の両立に励んだこともあり、共に働くスタッフたちの”女性としてのライフステージ”も考えながら、様々な制度や雇用システムを導入することで「女性が働きやすい環境」を整えていったそうです。
経営者として、働く女性として充実している松井さんから、仕事を楽しむための「3つのエッセンス」を伝授してもらいました。
松井さんが1番目に語ったのは「自分の体と心のサイクルを知りましょう」ということ。
体調の変化や精神的な浮き沈みは女性にとって大きな問題です。
「体調でも精神的な変化でも、いい状態もあれば、必ずそうじゃない状態も起こります。そういった時に自分を責めてしまうのではなく、自分の身体のサイクルや心のサイクルを知って寛容になってあげることが大事」
体調を崩したり、精神的に落ち込んで物事が上手くいかなったりした時、責任感のある女性ほど自分を責めてしまいそうですが、松井さんは「自分に寛容になってあげて」と助言します。
「たとえば、メンタルの浮き沈みや体調の悪化はPMS(月経前症候群)の影響かもしれません。私自身も長年これに悩まされてきました。PMSの時期っていつもは気にならないことですごく傷ついたり、ヘコんだりしてしまい、いつもの自分じゃなくなってしまったりそんな自分を責めてしまったりする。女性ならではのホルモンの乱れや少しの影響で必ずしも全ての女性ではないですが、一定数の女性はあるんじゃないかと思っています。PMSの症状を理解し、自分のサイクルを知ることで『こうゆう時期だから仕方ないんだ。無理しなくていいんだ』と自分を許してあげられるようになります」
さらに、松井さんは「落ち込んだ自分を許してあげたら、次に上がっていく自分を想像することも大切。そうやって自分のサイクルをしっかりつかめば、浮き沈みがあるからこそ楽しいと思えるようになります」とも語ります。女性ならではの苦労であるPMSによる体調やメンタルの変化、豊かな感情表現なども見方を変えれば「悪いことじゃない」のです。
次に、松井さんが2番目に挙げたエッセンスは「どんなに小さくても目標を作る」ということ。
「働く女の子をずっと見てきて思うことは『目標を持つことの大切さ』です。これは大きい目標じゃなくてもよくて、本当に自分にしか分からないようなささいな目標でいいんです。たとえ小さなことでも、昨日の自分と比較して今日の方ができるようになっていたら、小さい自信を持てるようになる。そうやって小さい小さい自信を積み重ねていくことによって、現場でキラキラ輝けるようになるんです」
世間では「女性が輝く社会」と声高にいわれていますが、具体的にどうやって輝けばいいのかはあまり教えてくれません。しかし、松井さんは多くの女性スタッフを見てきた経験から、ズバッと「輝くため」のアドバイスをしてくれます。
「逆にいうと、どんなに仕事ができてキャリアを積んでいても、目標を見失った瞬間にパタッと止まってしまう女の子も多いんです。だから、女性スタッフと働いているリーダーや経営者の方は、小さい目標でいいから一緒に親身になって、その子自身が成長できる『目標』を考えてあげることが必要なんじゃないかと思います」
続けて、松井さんは3つめのエッセンスとして「仕事とプライベートのタイムマネジメント」を挙げました。
「人生の時間は、もちろんですが仕事だけに使うわけではありません。仕事をエネルギッシュなものにするためには、それ以外のプラベートな時間も心から大切にするべきです。大切な人と過ごしたり、気持ちが高まるお気に入りの場所に行ったり…。私は入浴剤が大好きなのでオフの日は少し贅沢な入浴剤で時間を気にせずゆっくりした時間を過ごしてる時が癒されます 笑」
プライベートが充実している時、仕事でも良いパフォーマンスが発揮できた。そんな経験をしたことがある人は多いでしょう。逆に、プライベートに使える時間が減ってしまうほどダラダラと長引いてしまった仕事は効率性が悪いともいえます。
「『プライベートと仕事を分ける』と言葉は実は個人的にあまり好きではないんです。
なぜなら全て一つの線でつながっていると思うから。でも、考え方を切り替えて、自分自身のスイッチの切り替えを上手に行うことでとてもいいパフォーマンスが生まれます。働く女性たちには、仕事もプライベートも最高に楽しんで、人生をエンジョイしてほしいですね」
最後に今後の展開について質問すると、松井さんは「事業を展開するときに絶対に譲れないものが3つあって、ひとつはお客様が喜んでくれること、もうひとつは働いているスタッフが成長し楽しんで仕事ができる環境、最後は弊社に関わっていただいてる方々にも有益なこと。をいつも念頭に入れ、あらゆる選択をしています。新しい風を吹かせて、どんどん『働く女性』をハッピーにしていきたいと思っています」と語ってくれました。
今まで以上に「女性の活躍」が重要視されるようになった現代。女性ならではの身体の問題やライフステージの変化に向き合い、親身になって働く女性たちを応援している松井さんへの注目度は今後さらに高まっていきそうです。