スイス発×日本 大阪・関西万博にむけたコミュニケーション・プログラム「Vitality.Swiss(バイタリティ・ドット・スイス)」とは?

2022/10/29
マガジンサミット編集部

おおよそ160年前の文久3年に修好通商条約が結ばれて以来、友好関係を続けているスイスと日本。急峻で山の多い地形、わずかな天然資源、時間厳守で勤勉な国民性などの共通点もあり、両国は多く価値を共有しています。

現在、在日スイス大使館では2025年に開催される大阪・関西万博にむけた新しいコミュニケーション・プログラム「Vitality.Swiss(バイタリティ・ドット・スイス)」が進行中であり、万博の「いのち輝く未来会社のデザイン」というコンセプトや、参加が決定しているスイス・パビリオンのコンセプトに沿い、「ヘルシー・ライフ」「持続可能な地球」「人間中心のイノベーション」という3つのテーマを掲げ、交流やプロジェクトを推進中です。

写真)アンドレアス・パオム駐日スイス大使

アンドレアス・パオム駐日スイス大使は、「あなたにとって、バイタリティとは何ですか?」と問いかけます。地球や個人、社会といったさまざまなレベルで“バイタリティ”を育むにはどうしたらよいのか? 気候変動、国際保健、高齢化社会、デジタル社会の実現など、私たちが共通して直面する喫繋の課題に日本と力を合わせて取り組んでいくために、新しいコミュニケーション・プログラム「Vitality.Swiss」を通じ、活気ある未来のためのソリューションとシナリオを探求していきましょう」と提案します。

また、2025年の大阪・関西万博はスイスが日本や世界と関わるためのまたとない機会であり、スイスと日本の協働により“ゆたかな未来”を考える機会をデジタルコンテンツや体験型イベント、セッションを通して展開していきたいとしています。

すでに「Vitality.Swiss」では、国際芸術祭「あいち2022」(2020年7月30日~10月10日)において、スイス大使館が「スイス連邦工科大学チューリヒ」のグラマツィオ・コーラー研究室と東京大学「T_ADS」の 小渕祐介研究室とともに、建築におけるデジタルプロセスや人とロボットとの協働、技術的・文化的相互作用を追求する「Kizuki-au 築き合う-Collaborative Constructions」展を、常滑市「常滑やきもの散歩道」でスタート。

小渕教授はプロジェクト名の “築き合う”には、「心を気づかせる」と「気づき合う」のふたつの意図があるとし、「建築はたんに一緒につくるだけでなく、心を共通することもその可能性にある」としています。

写真)「KizuKi-au築き合う-Collaborative Constructions」小渕裕介氏(東京大学準教授)

2022年10月には「CIC Tokyo」(虎ノ門ヒルズ・ビジネスタワー15階)にて「Swisstech Pitch@CIC ~Life Science & Healthcare Innovation around BioJapan 2022~」のピッチイベントが、また、2022年10月12日~14 日には「パシフィコ横浜」で「SWISS PAVILION ˜ BIOJAPAN 2022」が開催され、アジア最大級のパートナリングイベント兼バイオテクノロジー展である「BioJapan」にスイス・パビリオンを出展し、製薬・バイオテク・農薬・化学などスイスで活躍中の中堅企業、スタートアップ、イノベーション推進機関等14社/団体が、世界トップレベルかつ最新のライフサイエンス技術を紹介しました。

10月16日には、エイジテックの未来をデザインする先見者たちが一堂に会するイベント「Heads, Hands & Hearts for Age-Tech  頭・手・心で取り組むエイジテック~エイジテック産業の未来を考える」が「東京アメリカンクラブ」で開催。

エイジテックは、エイジングとテクノロジーを掛け合わせた言葉で、イベントには「エイジングライフを向上させる」という志を持つ企業やスタートアップ、投資家、大学や研究機関、また政府機関などが一堂に会し、対話し、エイジテック産業において有益なコネクションを育み、新たなソリューションやベンチャーの姿を模索しました。

11月から始まるピッチイベントを紹介

2022年11月17日には「スイス・日本経済フォーラム 2022」を駐日スイス大使公邸からライブ配信します。パンデミックや気候危機、戦争そして経済環境の激変を変革・再生のための肯定的な変化とチャンスととらえ、持続的なバイタリティとウェルビーイング経営について、両国の見識を深めていきます。

2023年1月~3月には、「Creative Residency Arita(CRA)」とスイス大使館のコラボレーションとして、有田町と佐賀県が主催しスイス政府が後援する「Creative Residency Arita」がスタート。スイスを拠点とするデザイナー1名が佐賀県有田町に3か月間滞在し、地元の職人と共同で独自の陶磁器のデザインプロジェクトを開発します。コロナ禍での延期を経て、プロダクト・デザイナーのカルロ・クロパス(Carlo Clopath)が、プログラム初となるレジデンシーを行います。

そして2023年2月3日~15日には、2023年に50周年をむかえる、若手バレエダンサーの登竜門「ローザンヌ国際バレエコンクール」の歴史がスペシャルコンテンツと共に東急文化村「Bunkamura ギャラリー」にて展示されます。日本でもファンの多い「ローザンヌ国際バレエコンクール」ですが、「Vitality.Swiss」では、ヘルシー・ライフの要素のひとつとしてコンテンポラリー・ダンスに注目。健康や身体性とダンスの関係について提案し、深く掘り下げていきます。

その他、さまざまなプロジェクト、イベント、展示、ピッチセッション、アーティストインレジデンス、デジタルコンテンツなどで構成される「Vitality.Swiss」。活気ある未来のためのソリューションとシナリオを追求していくとしています。

写真)「Swisstech Pitch2022」加々美綾乃(CIC Japan)
写真)「SWISS PAVILION:BIOJAPAN 2022」木島由美子(在日スイス大使館 スイス・ビジネス・ハブ 貿易・投資促進日本代表代理 兼 貿易促進部長)
写真)「Heads, Hands & Hearts for Age-Tech 頭・手・心で取り組むエイジテック」Asako Kurosaki(CarterJMRN株式会社)
写真)「スイス・日本経済フォーラム 持続的なバイアタリティ:ウェルビーイング経営」グレゴー・ムイシュネーク(在日スイス大使館 参事官 経済・金融部長)
写真)「ローザンヌ国際バレエコンクール展(仮)」池田光宏(東急文化村 運営事業推進部 部長)
写真)在日スイス大使館 広報文化部長 ジョナス・プルヴァ

なお「Vitality.Swiss」では、“ゆたかな未来”を探るバイタリティ・アンバサダーとして、建築家の藤本壮介氏、スイス国民議会議員のエリザベイト・シュナイダー=シュタイナー氏、アーティストでキュレイター・料理人のマヤ・ミンダー氏、ダンサー・振付家の小尻健太氏などスイスに縁のある11人が集結。さまざまな取り組みを通じて情報を発信していきます。

気になる注目のイベント情報やプログラムの告知、レポートなどは「Vitality.Swiss」特設サイトhttps://vitality.swiss/en にて公開中。

サイト内では「ヘルシー・ライフ」「持続可能な地球」「人間中心のイノベーション」の3つのテーマのもとスイス国内の最新情報を発信しており、例えば、コロナ禍のなか流行しているという、6万5千キロに及ぶ登山道をサイクリングやハイキング、マウンテンバイクで進むアクティビティのレポートなど、思わず参加したくなるような情報が満載。水耕栽培システムのDIYや廃棄物とクリーンテック、スタイリッシュなソーラーファサードなど、暮らしの参考になるような話題も盛り沢山です。

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