“南米のパリ”と呼ばれ、西洋建築が立ち並び、街も人もオシャレなアルゼンチンの首都である“ブエノスアイレス”。2014年には、市内人口の4倍にあたる1100万人の観光客を迎えるという、人気の観光地です。
しかし、「2001年以降、拡大した貧困層は 若干減少しているものの大きく改善するまでには至らず、特に、ブエノスアイレス州大ブエノスアイレス圏では、引き続き強盗や盗難事件等が頻発しており、殺 人や金銭目当ての誘拐等の凶悪な犯罪も発生しています。」(在アルゼンチン日本国大使館HPより)とあるように、お世辞にも安全な観光地ということはできません。
今回は、実体験とホステルで聞いたブエノスアイレスでの犯罪と、その対処法に関して紹介させていただきます。
相手が女性でも注意!マスタード強盗でスリの危険
(私が被害にあった国会議事堂前にある公園)
海外旅行のガイドブックなどに頻繁に登場する“マスタード(ケチャップ)強盗”をご存知でしょうか?
服を汚し、その汚れを拭き取る素振りをしながらポケットの中の物を盗んだり、服の汚れに気を取られているうちにバッグをひったくってしまうといった手法の強盗です。在アルゼンチン日本国大使館のホームページでも名前の挙げられている犯罪の一つで、実際に私もこの強盗に遭遇しました。
私が公園を歩いていると、首に“緑で臭いもの”が落ちてきました。
鳩が多くいる公園なのですぐに鳩だと思いましたが、日本で見る鳩の糞とは色も形も違ったのでちょっと疑問に思っていると、後ろから女性が話しかけてきて、上の方を指さし「鳩の糞だよ」と言っていました。
それから、彼女はティッシュを取り出し、私の首のあたりを拭いてくれました。
ここで、不審に思ったのですが、「鳩の糞だよ」と教えてくれた人にも関わらず、そのティッシュの匂いを嗅ぎ「ウェー」っと嗚咽し、いかにも汚いものがついたということをアピールしてきました。そして、首は拭いてくれたのに背中は拭いてくれずに「背中もいっぱいだよ」と言って、バッグを下ろして服を脱ぐように言ってきます。
この時点で、怪しく思ったのでティッシュをくれたことにお礼を言って、偽物の鳩の糞を付けたまま、その場を後にしました。ホステルに戻りガイドブックを見ると、やはりその手法の強盗について書かれていました。相手が女性であっても、絶対に油断してはいけません。国会議事堂の目の前で犯罪が起きてしまっているんです。
バスターミナル駅の近くでは集団の強盗も存在
(Retiro(レティロ)というバスターミナル)
ブエノスアイレスのレティロという駅にあるバスターミナル。国内外へ走るバスが集まる大きなバスターミナルで、私も使用したターミナルです。
このバスターミナル近くは、地元でも有名な危険なスポットだそうで、私が宿泊していたホステルで聞いた話ですが、日本人観光客の一人の男性がこのターミナル近くで3人の男に囲まれ、ポケットの中身以外のすべての持ち物を強盗にあったそうです。男性は、パスポート、カード、バックごと、そして靴まで持っていかれてしまったとのことでした。
このレティロという街は、この駅の近くに“Villa(ヴィッシャ)”と呼ばれるスラム街があるからなんだそうです。
徹底するべきは“立ち止まらない”こと
ホステルの受付の男性曰く、このような事故は“よくあること”ではないそうですが、やはり注意は必要だとのことでした。
そして、ブエノスアイレスを観光する上で大切なこととして“話しかけられても立ち止まらない”ということを教えてくれました。話しかけられても無視して歩き続けることが安全に過ごすポイントだと話してくれました。
また、どこの国でも同じだと思いますが、地図をやたらと確認したり、財布をむやみやたらに出すなど、そういったことを守り、周りに気を付けて歩けば、危険を最小限にできるかと思います。
ブエノスアイレスでは、街のあちこちに警察が立っています。また、電車や地下鉄の駅にも警察がいますが、それでも“常に危険がある”といった気持ちをもって歩くようにしましょう。