好視聴率のNHK朝ドラ『とと姉ちゃん』。高畑充希が主演し、西島秀俊、木村多江、唐沢寿明、大地真央、ピエール瀧らが脇を固めます。高畑充希の「どうしたもんじゃろなぁ~」というセリフが、お茶の間に浸透中ですね。
『とと姉ちゃん』は、雑誌『暮らしの手帖』創業者をモデルとした主人公・常子が、亡くした父の代わりに家族を支え、静岡から上京して激動の時代を懸命に生きる様を描くドラマです。常子の上京先が、江東区にある深川。
このGW連休中に、江戸時代からの面白遺産や下町ならではのディープさが観られ、下町ならではのディープさと、グルメとカフェがおいしい『とと姉ちゃん』ゆかりの深川を散策してみるのはいかがでしょうか?
重くて担げない!豪華すぎるお神輿
深川の富岡八幡宮には、重すぎて担げないお神輿があります。“お神輿=担ぐもの”という我々の常識を覆す“一宮神輿”は、高さ4m39cm、重さ4.5トンと日本最大!でもそれ故、奉納の6年後には一回り小さい“ギリ担げるサイズ”の新しいお神輿が作られというエピソードも。
しかも超豪華な作りになっており、屋根に純金24kg、鳳凰の胸にダイヤ7カラット!目にダイヤ4カラット、鶏冠にルビー2010個!!!、狛犬の目にダイヤ3カラット、隅木と小鳥の目にはそれぞれダイヤ1カラット…等とスゴイのです。神社内で展示がされているので一見の価値あり!
8/16 富岡八幡宮2 一の宮神輿の前が開いてたので。お婆ちゃんが暫く食い入る様に見てた。 pic.twitter.com/XpfCYp2d0I
— ruki (@rukikur) 2015年8月26日
2大「すごい歩く系」偉人の縁の地
深川は、2大・歩くの大得意な偉人である伊能忠敬と松尾芭蕉の縁の地でもあります。17年もかけて日本中を歩き、江戸時代に日本地図を作った事で有名な伊能忠敬は、50歳で江戸に来て深川黒江町(現在は門前仲町)に住み、測量に旅立つ前はいつも富岡八幡宮にお参りをしていたのだそうです。2001年には彼の銅像も建てられました。
松尾芭蕉は、それまで住んでいた日本橋が嫌になって37歳の時に深川へ引越し、いわゆる芭蕉庵に住んでそこを本拠としました。有名な「古池や蛙飛びこむ水の音」の句は、ここで詠まれたもの。深川には、芭蕉庵稲荷神社や芭蕉記念館、芭蕉俳句の散歩道など、彼にまつわる場所が多く存在します。
もしも2人が天国で会ったなら、歩きの長旅あるあるや、深川あるある話で盛り上がることでしょう。
波乱万丈な橋!
そして深川には、朝ドラ主人公のように波乱万丈な橋があります。その名は永代橋。1698年に徳川綱吉50歳記念で架橋された隅田川にかかる約200mの橋で、国の重要文化財にも指定されています。討ち入り後の赤穂浪士たちが渡った事でも有名です。
永代橋は架橋から約20年後、財政難で維持管理を諦めた幕府により廃橋にされかけますが、民衆の嘆願のおかげで無事に存続。しかし1807年には富岡八幡祭礼に押しかけた民衆の重みで大きな落橋事件が起き、死者・行方不明者1400人以上の大惨事となりました。
そして1897年には100m程変えた場所に架橋。これは日本初の道路鉄橋として輝かしい出来事でした。ところがまたもや悲劇が…関東大震災で木材が炎上し、焼失。その後1926年に「関東大震災復興事業」第一号として再架橋され、それが現在の橋となっています。本当に色んな事を乗り越えてきた立派な橋なのです。
東京中央区新川/永代橋
相撲好きなら行っておきたい聖地
富岡八幡宮は相撲の聖地でもあります。相撲の歴史は古事記や日本書紀にも出てくるほど古いものですが、興行相撲は江戸時代に京・大阪から始まりました。
興行主は寺社で、造営や修復などの費用を捻出する“勧進相撲”でしたが、あまりの人気にトラブルが絶えず、“風紀を乱す”という理由で何度も禁令が出される事態に。
その後なんとか1684年に幕府が春秋2回の歓進相撲を許可し、それが行われたのが富岡八幡宮なのです。それ以降は約100年間、本場所が開催されました。ですので、もし境内で四股を踏んでいる人を見かけたら、それはヤバイ人ではなくガチの相撲好きのはずなので安心してください。
また、富岡八幡宮には歴代の横綱力士碑もあるので、相撲好きなら一度は行っておきたいですね。
横綱力士碑に合掌を!!我に力を授けてください‼( ; ゜Д゜) pic.twitter.com/qAkxhCZGMv
— 天風&冥王神主アヴァベル&WOTB! (@kentogto77) 2016年1月1日
グルメはもちろん深川めし×清澄白河カフェ
そして、お腹が空いたのならば深川めし。江戸時代には漁師の街だった深川は、東京湾で採れる海苔や魚介が豊富な場所でした。そこで漁師飯として誕生したのが“深川めし”。
実は元祖“深川めし”は、いかにも漁師飯らしく、あさりや野菜がたくさん入った味噌汁をご飯にかけた“ぶっかけ”だったようです。今よく見かけるあさりの炊き込みご飯は、その後、海辺の大工さん達が、ぶっかけ飯をお弁当で持って行けるようにと“炊き込みタイプ”にしたのが始まりとのこと。。
今、東京メトロの車内で観られる“Find my Tokyo.”で紹介されている『深川宿』さんは、清澄白河駅のすぐ近くにある“2種類の深川めし”が食べられるお店です。
東京メトロ【スペシャルムービー】Find my Tokyo.「Challenge01_門前仲町駅/深川宿」篇
そして、昨年から人気のサードウエーブコーヒー。清澄白河の『ロースタリー&カフェ』で、美味しいコーヒーを飲むこともお忘れなく!
朝ドラを見ていると、ヒロインの縁の地に行ってみたくなること必至。炊き込みタイプの深川めしで作ったおにぎりを片手に、これらの場所を巡ってみるのもいいかも知れません。