【東京☆今夜はここで独り呑み】 今がチャンス!再開発前に歩いておきたい町・武蔵小山へ

2018/07/04
遠藤 昇輝

『家呑みよりも、気になる町で独り呑み』というわけで繰り出したのは大規模再開発が進行中の<武蔵小山>。

今なら「古くからの商店街」と建設工事真っ最中の「再開発エリア」が隣り合わせとなった“時代の変わり目”を可視化できるんです。

都内でも指折りの活気あふれる商店街には有名チェーン店がズラリ。

でも、独り呑みなら…喧噪を離れた住宅街の一角へ。

【袋小路の名店は居心地抜群】

駅を出て右に曲がり、アーケードを進み、もつ焼きの「豚星」が見えたら右に曲がり、その先のピザ屋さんを過ぎたら左に曲がると…味わいある看板が立っている。そこに「京」という店名とうなぎの文字を確認したら右側の袋小路へ。

「えっ、こんなところに?」という雰囲気に気後れせずにズンズン進んでいくと店のご主人と女将さん(ご夫婦)が笑顔で迎えてくれます。

座敷もあるけど、独り呑みなのでカウンターへ。腰を落ち着けたらとりあえず飲み物だけ注文。なぜならメニューの数がハンパなく多いのです。(さらに黒板にチョークで書かれた料理が数十種類)

お通しの五色納豆で焼酎の水割りをやりながら迷っていると「季節料理がおすすめ」というので<若竹煮>と<ポテトサラダ>を注文。

タケノコの盛りは過ぎていたけど、駅前の建設現場のフェンスで見た町の歴史で武蔵小山周辺が“タケノコの里”だったと知り、ついつい。

隣の先客は<わらび>をオーダー。すると、ご主人が「よかったらどうぞ」と小鉢を私の前に…。(うぅ…ありがたい)

こちらを訪れるリピーターの多くがご主人の人柄に惹かれた人たち。茨城県出身でミスタープロ野球長嶋茂雄さんを「神様」と呼ぶ寺崎さん。

武蔵小山に店を開いたのは35年前。当時は目蒲線が通るのんびりとした街だったそうです。店内はほぼ開業時のまま。レトロな電話機も現役でした。

で、ここでずーっと疑問だった件について伺うと、意外な答えが…。

【なんで商店街から外れた住宅街の袋小路にこの店を?】

ご主人いわく「もともと4軒の長屋だったの。で、大家さんが壊すって言った時に店の部分だけ残してもらったの」なるほど!これで袋小路の奥に店がある理由がわかりスッキリ。せっかくなので<うなぎのかば焼き>もいただきました。今年も値上がり傾向ですが、小なら1250円で食べられます。

ガッツリ食べたい方は<うな丼>もあるし、<麻婆豆腐>や<麻婆ナス>とごはんという組み合わせも可能。シメには<茶そば><稲庭うどん><うなぎ茶漬け>なんかがおすすめです。

最初は少し入りにくいかもしれませんが、優しいご主人と女将さんは話好きなのでご心配なく。『家呑みよりも、気になる町で独り呑み』でいきましょう。

【今回のおすすめポイント】

▶店舗力:立地の魅力、居心地の良さ等☆☆☆☆☆

▶商品力:値段、味、メニューの豊富さ等☆☆☆☆

▶サービス力:店主、店員の接客や人間的な魅力等☆☆☆☆☆

「京」(季節料理 うなぎ お食事)

東京都品川区小山4‐10‐3

03-3787-8857

17:30~23:00

日曜定休

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遠藤 昇輝
この記事を書いた人

遠藤 昇輝

1968年東京生まれ 放送作家として数々の「東京の町歩き番組」を手掛ける傍ら“情報収集”と称してテレビ業界の面々が通う「独り呑みの店」を渡り歩く。東京の町の貴重な遺産を紹介するため一般社団法人東京遺産協会を設立。 町歩きプランナーとして自治体の魅力発信事業等にも参加。

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