感染症の拡大防止のために、オンラインで会議や、自宅でのリモートワークを続けている人もまだ少なくないようです。今までの会議とは少し進行のコツが違うということもわかってきました。どういう能力が必要とされているのでしょうか。
親睦はどう深める?
私がリモート会議でいちばん戸惑ったのは、アフターの飲み会や雑談がなくなってしまったことです。会議が終わった後に、おめあての人のところに歩み寄り話しかけるということもできませんし、仲良しの人に「この後どこに飲みに行く?」と楽しくお店探しをすることもできなくなってしまったのです。
日本人は仕事仲間大勢で集まって飲み、親睦を深めていました。けれどオンラインで顔を合わせているだけだとそれができません。ではどうやって親睦を深めるかというと、メールやLINEなど、言葉に頼ることが多くなるのです。通話するケースもありますが、時間がある時に目を通すことができるメッセージのほうが多用されていると感じます。
リモートでチームを動かすには
『Marisol』2020年9月号には「見直そう!リモート時代の「コミュ力」」という記事があります。そこには、新しい形のコミュニケーションで必要な3つの力として「シェア力」「ケア力」「MC力」が挙げられていました。
「シェア力」は、プロジェクトの進行状況を共有し、チームメンバーが目標に向かってしっかりと現在の位置を確認できるように可視化すること、「ケア力」はメンバーそれぞれの個別環境に配慮する力のこと。育児や介護を抱えるなど状況も違いますし、連絡確認の適切な頻度もそれぞれ変えたほうがいいでしょう。
必要なのはMCできる力!
なかでもリモートならではだと感じたのは「MC力」です。画面に映った会議参加者の様子に素早く目を配り、意見を引き出していく能力が必要となっているのです。普通の会議の場合は雑談からアイデアや提案が生まれていくこともありましたが、リモート会議の場では雑談の時間も短くなりがちです。
長時間PC画面と向き合っているのも大変だからと、会議を早めに終えようとする傾向が多いようです。そんな慌ただしいなか全員が発言できているかをチェックし、まだ何も意見を出していないメンバーに声をかける立場の人が必要です。メンバーが一丸となって企画を進行していけるよう気配りができる人は、今後も重宝されそうです。