今年はインフルエンザで病院に行かれた方、多いのでは…。そしてこれからは、花粉症で病院に行かれる方増えてまいりますが、病院に行かれた際、絵本が置かれているのを見られたことございませんか?
子供を静かにさせるのが目的のものが多く、昔話とか人気の定番絵本が置かれているケースが多いようでございます。そこで今回は、大人も楽しめる病院の待合室に絶対に置いて欲しい絵本を厳選ご紹介させて頂きます。
「ドアがあいて…」(作:エルンスト・ヤンドゥル 絵:ノルマン・ユンゲ 訳:斉藤 洋)
こちら、知る人ぞ知る名作絵本でございます。大人からの評価も高い作品でございます。ちなみに、文の担当、エルンスト・ヤンドゥル様は、ドイツ語圏で最も権威があると言われているゲオルク・ビューヒナー賞をはじめ数々の文学賞を受賞している吟遊詩人でございます。
絵の担当、ノルマン・ユンゲ様もトロイスドルフ絵本賞やボローニャ・ラガッツィ賞など数多くの賞を受賞、映画化された絵本もございます。この「ドアがあいて…」も映画として構想され、映画用に描かれた絵が使われているとか。
そして訳を担当したのが、最近映画化された「ルドルフとイッパイアッテナ」で有名な児童文学作家の斎藤洋様でございます。そのためか、大人がこの絵本を読むと、良質な短編映画を一本観たような読後感がございます。
お話の舞台は裸電球が一個だけ吊り下げられた薄暗い怪しげな待合室。待合室には椅子が五脚、そこに座っているのは壊れた5人のおもちゃ達。順に一人ずつ診察室に入っていきます。主人公のおもちゃは5番目。他のおもちゃ達が診察室に入り、出てくるのをドキドキ見送ります。
自分が病院の待合室に座っているかのような臨場感が味わえます。あの懐かしいドキドキ感が疑似体験できるのでございます。そしてラストは…。ラストは是非、絵本を手に取ってご体験くださいませ。病院の待合室にこの絵本を絶対置くべきと思うこと間違いナッシングでございます。
不安や恐怖から、なかなか第一歩が踏み出せないでいる方にも、是非読んで頂きたい大人絵本でございます。背中を優しく押してくれるはずでございます。
4月から新生活が始まる友人、部署が移動になり不安になっている友人、同僚、後輩などへのプレゼントにもオススメの絵本でございます。絵もとっても素敵なので、オシャレなプレゼントになるはず!でございます。
手渡す際には是非、ドイツの絵本であること、さらに先述の蘊蓄をさりげなくプレゼンしてくださいませ。お株も上がること、間違いナッシングでございます。
(文:N田N昌)