「医薬的な効果と食品的な安全性」を併せ持った新素材でダイエットと認知障害の改善を-。
アメリカの天産物医薬専門研究企業「フロロノル」と韓国のバイオメディカル企業「ボータメディ」はこのほど老化改善を短期間で実践させる新技術「MOP™Hydro-Network」を開発。この技術を応用した事業発表会が7月1日、都内で行われました。
発表会では、アイオワ大学で博士学位を取得した後、IBM基礎研究所博士研究員やHanwhaグループ中央研究開発センターの研究者を経て、現在は韓国ニューヨーク州立大学の研究・開発ディレクター、未来医療財団理事長、ボータメディリサーチホールディング代表取締役、フロロノルCEOを務めるイ・ヘンウ博士が講演。
イ・ヘンウ博士は「これまで肥満に対するソリューションは“外科手術による脂肪除去”と“食べ物を口にしないことで徐々に体脂肪を減らす”という2択だった。私たちは手術も絶食も不要の、第3のソリューションを開発した」と話します。
博士によると、肥満は老化に伴うメタボリック症候群が原因で、放置すると高血圧や糖尿病のほかアルツハイマー病やパーキンソン病といった認知障害にもつながる可能性があるとのこと。しかし、脂肪は人間の体にとってある程度必要なもので、慢性炎症による水分量の低下が老化の原因だと言います。
「健康はバランスの上に成り立っている。慢性炎症により細胞から水が失われることで細胞が病む。これは花と一緒。適切に水分を与えることで生き生きとする」とイ・ヘンウ博士。
また、「薬に頼った治療は副作用のコントロールができない」とし、医薬的な効果と食品的な安全性の2つを併せ持つ物質を模索しました。
海洋ポリフェノールを活用
このような背景から共同開発された技術が「Hydro-Network」です。「Hydro-Network」は海洋ポリフェノールを活用したバイオ技術で、水分子と結合して細胞の活性を補助します。
陸地の植物や果実から抽出されるポリフェノールとは違い、海洋ポリフェノールは海藻類から抽出。欧州食品安全機関やアメリカFDAなどに認められ、食品の安全性を持ちながら慢性炎症の抑制や細胞の保護効果などが期待できます。既存ポリフェノールの10〜100倍以上の抗酸化力を持っているため、「スーパー抗酸化剤」と呼ばれています。
事業発表会では、新技術によって認知症が改善する患者の様子を記録した映像も流され、会場に集まった参加者らは熱心にその効果を確かめていました。
ボータメディは、これらの技術を生かした製品としてメディカルフードや高機能化粧品、ペットフードなどを販売しています。当日、ゲストとして招かれた獣医学者で元日本大学総長の酒井健夫氏は「これからの時代は予防医学が重要。非常に興味がある」と話していました。