通販大手のアマゾンジャパンが8月3日より、定額料金で電子書籍が読み放題になるサービス『Kindle Unlimited』(キンドル・アンリミテッド)を始めた。同様のサービスはすでに米国など、世界11ヶ国で展開されており、日本では月額980円で国内外の書籍やコミック、雑誌など12万冊以上が読み放題になる。
気になる対象作品だが、和書では、書籍が8万冊以上、コミックは3万冊以上、そのほか雑誌も240誌、洋書では120万冊以上が対象になる。新刊など発売直後の書籍は少ない傾向だが、1~2年以内に発売された作品の品ぞろえを強化。ベストセラーも含めて充実させているという。
日本の出版社では、講談社、小学館、光文社、文藝春秋などの大手をはじめ数百社が参加。伊坂幸太郎さんや池井戸潤さんなどの人気作家も対象になっており、登録作家の数は数万人にのぼるという。
現段階ではシリーズ全巻が読める作品もあるが、1巻~3巻までなど、最初の数冊のみ対応で続編は有料といったものもあり、利用可能な書籍はかなり限られる印象だ。
また、『Kindle Unlimited』(キンドル・アンリミテッド)は『アマゾン・プライム』(年額3900円)から、独立したサービスになっているのが特徴で、既存のプライム会員ではない新規ユーザーの獲得につなげたい狙いがあるようだ。
アマゾンジャパン・キンドル事業部の友田雄介氏は、米国では、同サービスを利用したユーザーの読書時間や本の購入額が、利用開始後に3割増えたといい、日本でも同じ傾向が出ることを期待していると話す。
1度に利用できる上限は10冊まで。30日間の無料体験も用意されており、サービス適応の作品には、キンドルストアの一覧にて『Kindle Unlimited』マークが表示される仕組みだ。
さて、電子書籍市場や読み放題サービスに、一石を投じるサービスとなるか?今後の展開が注目される。